ロックフィッシャー佐藤文紀

ロックフィッシャー
佐藤文紀
(さとうふみのり)
元祖・根魚ハンターとして、数々のIGFA世界記録及びJGFA日本記録を有し、「根魚釣りの専門家」として東北〜北海道を拠点に全国各地の根魚を追い続ける。
又、フラットフィッシュや大型トラウトの釣りにも造詣が深い。
2011年、自らがプロデュースするブランド、PRO’S ONEを立ち上げた。
NPO法人ジャパンゲームフィッシュ協会(JGFA)評議員

キャッチアンドリリースのお願い

豊かな自然とグッドコンディションの魚を守るため、必要以上のキープは慎み、又、産卵前の個体やこれから大きく成長していく若魚は、ぜひともリリースを心掛けましょう。
釣り場環境への負担を最小限に抑えることで、次世代に渡り末永く楽しめることを願って―。

サカナサク、伊達な海旅。

穂を成す秋の実り。

季節は夏から秋への移ろいを感じるようになりました。

実りの秋も、もうすぐ。

 

 

地球丸・SALTWATER誌の連載、「サカナサク、海の旅。」

東日本大震災から2年という月日が過ぎた今年3月、千葉県房総半島は外房を起点に旅の終着地・青森県まで1年をかけて被災地の沿岸を訪ね歩くという主旨の連載ページです。

被災地には、言葉ではとうてい表すことの出来ない悲しみや苦しみ、憎悪の心さえも渦巻いています。

明るい話題もある一方、メディアで伝えられない影の部分、つまり少なくともそれほど深刻な事態も多義に及ぶのも確かで、この地にいると直面する現実に切なくなることも多いです。

それはこの「2年と半年」という歳月の流れを同じ被災地に留まることで私自身少なからず実感しているし、今も苦境な生活の中、毎日を何とかかんとか…やり繰りしながら過ごしている方が大勢いらっしゃるのもまた事実だからです。

それが今の日本の姿、被災地全体に言えることではないでしょうか―。

 

言わずもがな、今日は様々なメディアが「この話題」を報じていますね。

日本でのオリンピック開催に伴う経済効果を見込んでこれから国をあげて動き出す大プロジェクトは多いかと思われますが、それはそれで結構かとは思うのですが…、それだけに注力せずに、どうか…まずは一向に収束しない原発汚染水漏れ対策をお願いだから早急に何とかしてほしいです。

切実な願いとして。

そんな中において、申しわけないぐらい本当に僅かなことでしかないけれど…、それでも私がその場に立つことで、自分に機会を与えられた連載記事を読んだくれた貴方が、かつてそこに住んでいた情景や良き思い出がわずかにでも蘇ってくれるのだとしたら、このうえなく幸いなことであり、この連載が存在する意義があることにも繋がります。

 

原発―。

重いテーマでした。

あまりに大き過ぎる相手でした。

それでも現在リリース号の「第5回・福島県広野~相馬」編において、福島第一原発の内容に正対したのもそのような想いがあるからです。

僅かな滞在時間とはいえ、放射能被ばくリスクも確かに怖いのは最もだが、原発規制区域の行けるところまで上下共に最接近し、その現実を写真に収め、文に記すのもまた私に課せられた使命だと思ったからこその原発周辺を題材としたテーマにしました。

「サカナサク、海の旅。」は、いつも明るく楽しい内容ばかりを提供する記事ではありませんが、それでも、この長き1年という期間の旅を自分の足で成し遂げよう現在に至っています。

 

今のお若い方には何のことか想像することすら難しいかもしれませんが、かつて、受験生が合格を電報で伝える際「サクラサク」という言葉を使った時代があったそうなんです。

この連載が始まったのがちょうど4月。4月発売号に掲載するにはロケは3月におこなうわけです。その時、東京ではいち早く桜が満開になった時期でした。それに、ソルトウォーターフィッシング専門誌ならではの「海」感、そして「旅」的要素を絡めて、編集部と一緒になって見出したタイトルが

「サカナサク、海の旅。」

という言葉です。

写真はカメラマンが担当し、原稿とキャプション(※写真に対するコメントのこと)は自分書き。

タイトルは編集部と私で一緒に考えましたが、題字と画は人様にお見せしていいものか迷いましたが、私の自筆です。

 

そこには釣りだけでなく、釣りに向き合う者として同じ生き物である魚へ対する真摯な姿勢や向き合い方、季節感や日本ならではの彩(いろどり)や風土、文化や教養をも取り入れて文面を大切に作り上げていきたいという部分が強く反映されています。

サカナサク…という言葉はそんな意味合いをも持ち合わせているのです。

 

サカナサク、海の旅。は宮城県へと。

写真は福島県との県境の街・山元町。

そんなこの連載も早いもので今月9月21日発売号、つまり第6回目となるロケを過日おこなってきました。

東北は福島県を抜けた旅路も舞台は私の地元・宮城県へ―。

次号から宮城県を3つのエリアに区切った3部作でお届けしていきます。

福島県との県境付近。

宮城ロケは8月(8月末に完了)・9月・10月と続きます。

県内にお住まいの方々、取材時にお会いすることがあればその時はぜひ、よろしくお願い致します。

今回は「砂」と「夏」を彷彿させる魚が登場。

 

最後に、先日のロケでは仙南エリアで夏を彩る「砂」の魚がお出ましに。

釣り場のみならず、仙台空港や松島水族館など宮城県民の皆さんには馴染み深い場所が多く出てくる回となるよう只今、ページを作っています。

 

サカナサク、海の旅。

伊達の国へ、ようこそ。