ロックフィッシャー佐藤文紀

ロックフィッシャー
佐藤文紀
(さとうふみのり)
元祖・根魚ハンターとして、数々のIGFA世界記録及びJGFA日本記録を有し、「根魚釣りの専門家」として東北〜北海道を拠点に全国各地の根魚を追い続ける。
又、フラットフィッシュや大型トラウトの釣りにも造詣が深い。
2011年、自らがプロデュースするブランド、PRO’S ONEを立ち上げた。
NPO法人ジャパンゲームフィッシュ協会(JGFA)評議員

キャッチアンドリリースのお願い

豊かな自然とグッドコンディションの魚を守るため、必要以上のキープは慎み、又、産卵前の個体やこれから大きく成長していく若魚は、ぜひともリリースを心掛けましょう。
釣り場環境への負担を最小限に抑えることで、次世代に渡り末永く楽しめることを願って―。

更新情報

★プロズワンからのお知らせ★

PUBLISHINGページ【最新情報】・【雑誌・本】に

「SALT WATER 2014年4月号」を追加致しました。

「SALTWATER 2014年4月号」発売

★プロズワンからのお知らせ★

2月21日(金)SALTWATER 2014年4月号(地球丸)が発売されました。

 

■連載

サカナサク、海の旅。~東日本太平洋沿岸の現在(いま)を歩く~

第11回 岩手県岩泉~青森県階上

文・題字・画=佐藤文紀

 

ぜひ、ご一読くださいませ。

今、拓かれる夢の扉。~まだ見ぬ魚影・スポッテッドサンドバスを追う!~

先週2/15(土)放送のBS日テレ「夢釣行~一魚一会の旅~」カリフォルニアロックフィッシュゲーム前編でのひとコマ。

地元でも滅多にお目にかかれないという、50センチオーバーの大物バードサンドバス。

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日本と逆転するアメリカ時間。長旅の疲れも一気に吹っ飛ぶ興奮と爽快感。

寒流域のコンブ帯に息づくハタである、バードサンドバス。

暖流にルーツを持つハタ科において、世界的な見地でもこれは珍しいことだと思うのです。

北国生まれのロックフィッシャーとして、ぜひともこの魚には会いたかった。

素晴らしきバードサンドバスの大物をこの手に導いてくれたのはカルティバ/オーバーサイズフック7/0にセットしたバークレイ/ガルプSWスクイッド5インチ(12センチ)のダブルダウンショットリグ。

日本ではダウンショットリグと呼ばれる「ドロップショットリグ」はアメリカのソルトワーミングにおいて主流の、最もベーシックなロックフィッシュ向けリグの1つ。

ちなみに現地でテキサスリグはバスフィッシングのためのリグであり、ソルトウォーターフィッシングにおいてテキサスリグを用いることは殆どありません。

ご記憶の方も多いかと思われますが、このガルプSWスクイッド5インチはかつて日本市場でも発売されていたものの、現在日本国内では既に絶盤。

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でも、「いつの日かきっと出番が来るはず……」と睨み、当時の残りのうちの1パックを今回のロケ荷物に忍ばせていったのが大正解。

海外初の獲物にして、この大物のバードサンドバスをもたらしてくれたワームの力、そしてこのワームを任意の層をレンジキープしつつ留めるために有効となるダウンショットリグとの相乗効果は明らかだった。

このワームが国内でも発売されたのは確か2008年頃だったと記憶している。当時の日本のフィールドでは、正直なところなかなか出番を見いだせなかったのだが、ところ変われば頼もしいワームになることを今回のロケでは教えてくれた。

コンビを組んだ「オーバーサイズフック」も大型フックの割に自重が軽く出来ているため、魚の口腔内に吸い込まれやすく、大型フックの弱点ともいえるフッキング性能も自分が思う以上に高いのも大きなアドバンテージを握る。

こちらもまた2パックほどフックケースに忍ばせておいたのが功を奏した。

海外では日本の釣りが通じない時もある。逆もまたしかり。外国の釣りが日本のフィールドで通用するとも限らない。

もっと、もっと“目先の視野を広げなければ”と心新たにした快心のビッグフィッシュとの出会いだった。

 

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こちらはカルティバ/撃投ジグエアロ40g+ショートジグアシスト1/0のコンビによるオリーブロックフィッシュの釣果。

オリーブロックフィッシュはカリフォルニアに生息するメバルの仲間。

私の知りうる範囲での魚で言えば、ウスメバル(沖メバル)に色模様が近い印象を受けました。

ウスメバルは新潟ではテリ、岩手ではメガラ、宮城ではアカガラとも地方名では呼ばれる魚ですよね。

 

途中、投入したデプス/B-カスタム1oz(スピナーベイト)のトレーラーにしたグラブはこちら。

バークレイ/ガルプSWグラブ6インチ(15センチ)【日本未発売品】。

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ロックフィッシュにおけるスピナーベイトの釣りにはカーリーテール系ワームは全般に相性がいい。今ロケではフッキングには至らずとも、カーリーテールワームのテールが撹拌する水流は国を問わずロックフィッシュにはとりわけ効くということを再確認。

今後の課題は海釣りにおけるスピナーベイトのレンジキープの仕方(工夫)と、いかにフッキング率を高めるか、だと痛感しています。

ディープゾーンでも潮流に負けないで泳ぎ切るスピナーベイトがあれば、国内外問わずケルプ群生地の海でもいかんなく効果を発揮するはず。

いずれにしても、スピナーベイトの集魚力はソルトウォーターフィッシングにおいても相変わらずであることを再確認。

 

番組中、2尾目のバードサンドバスをキャッチしたルアーはこちら。

バークレイ/ガルプSWスイミングマレット6インチ(15センチ)【日本未発売品】。

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スイミングマレットはフレッシュウォーターフィッシング用のガルプ!ミノーグラブ(日本では絶版)のパッケージ違いの海用モデルですが、このシェイプのワームは2インチ、3インチ、4インチは日本でも以前は発売していましたが、私が使っていたのは国内での発売はされていない6インチモデルです。

ボディーの幅がバルキー過ぎて並大抵のオフセットフックは装着できないので、オーバーサイズフック7/0をオープンエクスポージャーでセット。

「オフセット(ウィードレスセット)」というのは針先をワームの内部に少し埋め込むことを言いますが、それに対し「オープンエクスポージャー」というのは針先むき出しの状態でのセッティングです。

いずれにしても白いカーリーテールワームは日本のソイは大好きですよね。

クロソイ、ベッコウゾイ、マゾイ、シマゾイ…と、白いカーリーテール系ワームはソイがよく釣れることは揺るぎない事実です。

ソイとハタはルーツは北方と南方それぞれ発生の起点が別ですが、魚としての系統的には近い部分を感じます。

よって、白いカーリーテールは海外のハタにもいいのではないか?と思い、このワームをセットした結果、ジャイアントケルプの中に潜むバードサンドバスに再び出会うことが出来ました。

 

日本では試せないことも外国では試せる。

試して初めて気がつくこと、分かること、がある。

そう考えるとあの時、私は凄く濃密な釣りをしていたのだな、と思うわけです。

世界のロックフィッシュと対等することは、とてもエキサイティングなこと。

長くこの釣りを続けてきた今でも勉強になることで一杯です。

 

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そして、明日2/22(土)放送となる同番組の後編。

釣りの舞台はサンディエゴ沖からサンディエゴベイ(湾内)へと大きくシフトする。

ディープウォーターから次第にシャローウォーターへ。

ハイタイド(満潮)・ロータイド(干潮)の影響を大きく受けるシャローというステージ。

ターゲットは、バードサンドバスと共にもう一種のサンドバスである「スポッテッドサンドバス」へと注目が向けられる。

2大“サンドバス”の制覇。

決して容易なことではないが、どうしても会いたい!どうしても釣りたい!!という情熱は揺るぎない。

 

こちらはジグヘッド内蔵式のスイムベイト、バークレイ/ポギースイミンシャッド4インチ(10センチ)【日本未発売品】。

「ポギー」とは英語圏で“タイの仲間”のことを指します。

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私の中でスイムベイトとの出会いは海の釣りではなくバス釣りでした。

昔、バスフィッシングでキャスティークトラウトベイトなどのスイムベイトが流行った時代にソイ釣りにスイムベイトを転用していた経験がしばしの時を経て今、ここで再び開花する。

シャッドテールワームのリグの釣りとはまた異なる、スイムベイトでの誘い。

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過去の経験は、【今】の肥やしに。過去は未来に繋がっているのだ、と思わせてくれるリバイバルな釣り。

釣り方って、色々やっていて損することはなんだな、と思いました。

いつの日かその経験は生きる。そこにあるのは「近い未来」か「遠い未来」かの違いだけ。だから、その瞬間は予期せずとも再び舞い戻る。

 

フィナーレは、現在の日本の根魚釣りの象徴であるジグヘッドリグ・テキサスリグの二大釣法の効果が改めて海外という大舞台で試される時。

ただし、あくまでも相手は自分が初めて対等するロックフィッシュ。

この海で釣り竿を握る限り、「バードサンドバス」と「スポッテッドサンドバス」に向き合った適切な釣りを成し得ることが、なによりも強く求められる。

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キャプテン・ジェームスネルソン(愛称:ジェイミー)と交わすハイタッチ。

 

さぁ、舞台は再びサンディエゴの時間へ!

あの夢の続きへといざなう、第2章の開幕です。

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カリフォルニアドリーム。

時は、今。

いでよ、スポッテッドサンドバス!!

 

後編もぜひお楽しみ頂ければ幸いです。

青森の冬。舞に託す想い

「サカナサク、海の旅。」最後のロケが終わりました。

旅の終着点、青森県が舞台となる3月21日発売号の分です。

東北新幹線JR八戸駅

今回のスタートは八戸から。

 

銀世界の冬の青森

全国的に大雪・豪雪に見舞われているこの冬。

 

それでも北の人々は来たる春の訪れを願い、力強く舞い踊る「えんぶり」にその想いを託す。

えんぶり

そこには豊穣への願いと共に、震災復興へ灯が重なる。

 

辺り一面、ふかふかの雪に覆われた銀世界。

さぁ、冬の海に出よう。

雪雲の合間から陽が射す海岸線。

この海の向こうに北の大地を控える。

この、もっと向こうには北の大地・北海道があるのだ。

 

北海道と本州を結ぶ県・青森。

厳しい冬を乗り越えつつ息づく人々の暮らしに文化―。

 

厳寒の中の極寒でのロケではありましたが、北東北の2月というものを全身で感じることの出来た有意義な時間でした。

 

まずは取り急ぎ、本日はこれにて―。

カリフォルニアの空、カリフォルニアの海。(3)

海の向こうに見えるのはメキシコ。

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ここはアメリカとメキシコの境。

 

こちらの浮き桟橋の上でお休み中のカリフォルニアシーライオン。

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ぐっすり安眠中のようで気持ち良さそうな寝顔です。

サンディエゴは、人間の暮らしのすぐ近くでこんな光景に出会えます。

 

さて、そのような理由からバードサンドバスを釣る側面はとても斬新。

というよりも現地ではそれが普通なのでしょうね。

7/0オフセットフックのドロップショットリグ(ダウンショットリグ)!

2ozのリードヘッド(巨大なジグヘッド)に大型スイムベイトをセット!

2ozのブラシガード付きラバージグ+大型ワームのトレーラーをセット!

この他、根魚釣りには、スピナーベイトにディープクランクも使う。

シャローエリアではスピナーやジャークベイト(日本で言うミノープラグのこと)も有効な時がある、とのことでした。

ちなみに海外では3/4ozだの1ozだのといったヘビーウェイトのスピナーも普通に売っていますが、日本では「スピナー=渓流トラウト用のルアー」という認識からか、重ためのスピナーは種類が少ないので、お住まいの地域によっては目にする機会自体がない場合もあるかと思われます。

 

日本ではあまり見ないリグやルアーもありますが、個人的に「おぉ!」と思った極め付きは“ダブルドロップショットリグ”でしょうか。

上針は7/0オフセットフックに5~7インチのワームをセットし、シンカーにはただのオモリを使うのではなく2ozのブラシガード付きラバージグをセットしてラバージグへのトレーラーには6~7インチのワームを更にセットするリグです。ラバージグのフックは9/0くらいまでは普通に搭載されていて、トレーラーにはスクイッド(イカ)型のワームを好んで用いるようです。

上針のフックはウィード(ジャイアントケルプ)の濃さに応じて、オープンエクスポージャー(針むき出し)でのセッティングも活用し、スナッグレスバージョンのセッティングと釣り場ごとに使い分けます。

これらを水深30m以上もの場所でフルキャストしてボトムに着底後、横に引いたり、リフト&フォールしたりして魚を誘います。

日本では水深30mと言うと漁礁や沈船といったピンスポットのバーチカルな釣りをイメージしてしまいがちですが、カリフォルニアでは沖合のオープンウォーターでもキャスト!キャスト!キャスト!の釣りです。我々、日本人にはちょっとビックリですが、「2oz程度までのリグ」をキャスティングして釣ることは、あちらでは普通の釣り動作。

それが向こうの“海のバスフィッシング”、日本で言うロックフィッシュゲームの有力な方法の一つ。

こうなると日本から持参した1ozテキサスリグや1ozスピナーベイトもヘビーウェイトルアーの部類には入らない感じですね(笑)。

 

 そんな側面の釣り方もあれば、波の穏やかな湾内では3/16ozのジグヘッドリグによるフィネスゲームの展開もありました。小エビを偏食する気難しいシャローエリアのスポッテッドサンドバスにはダブルウェーブ3インチでの“ライトロック釣法”が炸裂。

国は違いますが、東京湾でカサゴを釣るように、三陸の港でアイナメを釣るように、北海道の港でガヤ(エゾメバル)やクロソイを釣るイメージを心掛けた釣りを展開。

それが、ばっちりとハマりました。

なんと!スポッテッドサンドバスが爆釣モードへ突入したのです!!

 

そのような意味でロックフィッシュゲームというのは我々、日本人が考えているより本来はもっと多彩なバリエーションがあって、本当はそれを適材適所で使い分けてこそ真の根魚釣りなのだな、とこの地に来て改めて学ぶことが出来ました。

つまり、ベイトタックルでテキサスリグをブン投げる釣りもロックフィッシュゲームの一部であるが、それは世界的に見て日本の国の中における、ごく一部の特化した釣りであるということの現実です。

海外をも含めたロックフィッシュゲームという認識とはまた違う次元だったのだと、ルアーフィッシング本場の国に来てその真意に触れることが出来た。

それでもこの釣り方は釣り方で自分の持ち駒の一つでもあるので、“私が考える”「日本のロックフィッシュゲーム」に合うシチュエーションを最後にリクエストして、締めくくりとなる満足の魚を釣ることも結果的には出来ました。

こちらがキャプテン・ジェームス(愛称:ジェイミー)。

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「Oh~なんってこった!海でテキサスリグをキャストするのかい?テキサスリグは淡水のバスフィッシングのためのリグだよ。日本じゃ、だいぶ変わった釣り方でロックフィッシュを釣ってるんだね。」とキャプテンには言われましたけどね(笑)。

 

でも、そこで起こった事実はこうです。

私が願いを込めて放った5インチパワーホッグの5/0オフセットフックの1ozテキサスリグを魚はシャローで襲った、ということ。

そして「考えるロックフィッシュゲーム」は本当にエキサイティングなんだ!!という真髄に、長年この釣りをずっとやり続けて来た今にあって、改めて触れることが出来たこと、です。

 

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海外の釣り。

私にとっても、それは憧れの夢の舞台に変わりありません。

サンディエゴの海で風を切る渾身の鬼アワセ。

無我夢中で数々の魚をジャイアントケルプの中から引っ張り出しました。

テレビカメラがずっと回りっぱなしにつき……いくら平然を装っても(?)、内に秘めたる興奮は止まらなかった。

 

ドロップショットで!

スイムベイトで!

ジグヘッドリグで!

テキサスリグで!

他にもスピナーベイト、ラバージグ、メタルジグ、プロップジグ、スプーンリグ、アンカーリグ、直リグと考えられるパターンは試してきました。

 

誰も見たことのない、もっと“先の根魚釣りの世界”を自分のこの目で見てみたい。

己の釣りがどこまで通用するのかは分からないけれど、これまでの自分が知らない海でそれを体感してみたい!

そうすれば、そこで新しいロックフィッシュゲームの何かが拓けるかもしれない!!

 

世界は広い。

いつでも行けるわけではない海外という果てしないフィールドで今回学んだことを、日本のフィールドでアレンジしてフィードバックしていくことが私はこれからのロックフィッシュゲームにおける楽しみになりました。

 

夢のある釣り場で、夢のある釣りを。

情熱を持って。

それが己の根魚釣りであり、私にとっての夢釣行です。

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バードサンドバスのヒュージサイズを手に。

 

これまでの釣り人生、子供の頃からずっと、ずっと、一途に根魚釣りをしてきて本当に良かったと思えた旅路でした。

 

BS日テレ「夢釣行~一魚一会の旅~」

若きロックフィッシャーが挑む、カリフォルニアドリーム

~国境の海を泳ぐ、未知の根魚に挑む~

 ぜひ、もう一歩進んだ根魚釣りの世界観に触れて頂ければ幸いです。

 

 

 

おまけ:道中、こちらへも伺いました。

皆さんご存知!バスプロショップ!!

おまけ(笑)。皆さんご存知!バスプロショップです

超巨大な釣り具店なので店内見るのに2時半かかりました……。

(オフショットにつき、テレビでは放送されませんのであしからず)