ロックフィッシャー佐藤文紀

ロックフィッシャー
佐藤文紀
(さとうふみのり)
元祖・根魚ハンターとして、数々のIGFA世界記録及びJGFA日本記録を有し、「根魚釣りの専門家」として東北〜北海道を拠点に全国各地の根魚を追い続ける。
又、フラットフィッシュや大型トラウトの釣りにも造詣が深い。
2011年、自らがプロデュースするブランド、PRO’S ONEを立ち上げた。
NPO法人ジャパンゲームフィッシュ協会(JGFA)評議員

キャッチアンドリリースのお願い

豊かな自然とグッドコンディションの魚を守るため、必要以上のキープは慎み、又、産卵前の個体やこれから大きく成長していく若魚は、ぜひともリリースを心掛けましょう。
釣り場環境への負担を最小限に抑えることで、次世代に渡り末永く楽しめることを願って―。

「ロックフィッシュゲームがある日突然上手くなる」発売開始!

日本列島、いよいよ冬の寒さとなってきた今日この頃。

その一方で我らのロックフィッシュシーンは熱く、刺激的な季節を迎えている。

この度、かねてよりお伝えしてきた自身初の著書にして本邦初の根魚単行本「ロックフィッシュゲームがある日突然上手くなる」が発売の運びとなりました。

佐藤文紀著 ロックフィッシュゲームがある日突然上手くなる基本的には“真の中級”を目指すアングラーへ贈るハウツー本という設定ですが、1魚種ごとに焦点をあてたエッセイ・コラム的要素も随所に盛り込んでいます。

釣りだけでなく、魚そのものが大好きな性分ゆえ、おかげさまで本を書いた当の本人もワクワクしながら執筆に取り組むことが出来たので、文面のみならずその雰囲気が少しでも読者皆様へと伝わってくれたら、うれしいです。

 

本文にも登場する「スプーンリグ」に「アンカーリグ」、「食紅チューン」etc……、根魚最盛期を迎えた貴方のフィールドでぜひお試し下さいませ。実践するなら今がチャンス!! ずばり、釣れます!

 詳細は下記(↓)つり人社さんのサイトをご覧下さい(本文もちょっとだけご覧頂けます)。

 http://e-tsuribito.jp/pages/shopping/book/04/714.php

尚、本書は単行本につき書店での取り扱いは【雑誌】コーナーではなく、【実用書】の釣り本コーナーへの配列になりますので、どうかお間違いないようお願いします。

発売迫る!

一冊まるごと書き下ろした生粋の根魚本「ロックフィッシュゲームがある日突然上手くなる」が完成し、搬入の運びとなった。

今週末頃から店頭に並びます。根魚釣りに関する雑誌(ムック含む)としては毎年11月に発売されている「ロックフィッシュ地獄」シリーズが有名だが、根魚釣りに特化した単行本の出版はこれが初めてのケースであろう。お住まいの地域によっては「根魚=冬に狙うターゲット」とか「寒い時期の釣り」というイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれないが、その種類が豊富な根魚は本来、年間を通して愛好出来る釣りジャンルである。

 

本書はロックフィッシュゲームが年中盛んにおこなわれてきた大型根魚の聖地・北海道と東北は勿論のこと、各地の海に生息している多種多様なロックフィッシュ達の個性を尊重しながら書き綴った単行本。

ロックフィッシュは他の釣りジャンルとは異なり、特定の1魚種、あるいは2、3魚種のみを専門に狙う分野ではないため、釣趣の幅が実に広く、そして極めようにも一概には極められないという奥深さ・懐の深さがあります。そう、根魚は日本中の海に、そして世界中の海になんらかの種類が生息しているからです。まさにエンドレスな世界。

それゆえ、まだまだ発展を続けていく釣りであり、なにかと飽和状態に達しつつあるジャンルが増えてきている昨今の釣り事情において、今後も“その余地”が残されている希少なジャンルの一つでもあるのです。

 

本日から1週間後(早いところでは今週末くらいから)には順次入荷になるかと思われます。

入稿〆切を前にして発生した東日本大震災によって、完成間近だった原稿を失った一時は、本の出版すら危ぶまれただけに、半年以上遅れはとったものの、今こうして作り終えた本のページをめくってみると注ぎ込んだ情熱以上にその想いには感慨深いものが実感として湧いてきます。

 このような帯(おび)がセットされて陳列されます。                       

 

 

 

 

 

 

 

 

本書は釣果に伸び悩むロックフィッシュアングラーへ贈るヒント集として、文面もあまり難しくなり過ぎないように1項目ずつ話が完結していくストーリーなので「活字が苦手」という方でも、さほど重苦しさは感じないようになっています。

どうかこの本が向上心溢れる皆様方にとって、何らかの形としてその一助となってくれることを願いつつ、著者として本日を持って世に送り届けたいと思います。

書店や釣具店で本書を見かけました際には、ぜひ手に取ってご覧下さいませ。

追伸:本書の刊行にあたっては(株)つり人社書籍編集部O編集長の的確な助言・激励を賜りながら書き進めることが出来ました。又、イラストレーターさん、デザイナーさん、印刷・製本を担当頂いた印刷所さんに至るまで本書の製作に尽力頂いたスタッフ皆様に心から感謝申し上げます。

一冊入魂

印刷所から出来上がってきたばかりの「佐藤文紀著 ロックフィッシュゲームがある日突然上手くなる」(つり人社)に一冊ずつサインを入れている。

先月10月10日(月)体育の日、北海道札幌市のプロショップ・ノースキャストさんで開催された当方の講習会でこの本の製作が公表された。その際、先行予約頂いた方への特典として、一冊ずつ直筆サインを入れるというお約束をしてきました。

北海道では子供さん~ご年配の方に至るまでアイナメのことを「アブラコ」という独自の地方名で呼ぶ人がほとんど。

ちなみに私は地方出身者ゆえ、自分の故郷である東北の宮城県にいるときはアイナメのことをネウ【根魚と書いて、根(ネと発音)+魚(ウと発音)=ネウ】と呼ぶことが今でもあります。幼少の頃から聞き慣れた言葉なので、親しみを込めてついついそう発音してしまう。ただ、県外に行くと「ネウ」では何のことを意味しているのか通じないため、正式名称であり標準和名でもある「アイナメ」に改めています。

でも、ご当地ごとに伝わる方言や地方名はいつまでも大切にしていきたいものですよね。

そんな気持ちを込めて今回は“北海道限定”のサインを致しました。

「ロックフィッシュゲームがある日突然上手くなる」北海道限定バージョンサイン入りです。

 

 

 

 

 

 

 

 

アイナメUNDER WATERならぬ、“アブラコUNDER WATER”。

アブラコUNDER WATERは私が道内を訪れているときに限り、そして特別な時にしかサインしない単語のため、これまででも僅か2、3例しか書いた記憶がないレア・バージョンですが、今回は先行予約を頂いた方々への特例として道産子ロックフィッシャー達の熱い志を拝借して書かせて頂きました。

 

本書は本州在住のロックフィッシャーのみならず、道内の皆さんにとっても、なまら参考になる内容が盛り沢山。

「アイナメUNDER WATERⅡ」から2年の時を経て贈る最新作です。

気がつけば今年もあと1ヶ月少々。

日に日に寒さも厳しくなっていておりますのでお身体にはご自愛のうえ、思い出に残る魚と出会いに、ぜひロックフィールドへ!!

ロックフィッシュゲームがある日突然上手くなる

先日発売された「ロックフィッシュ地獄Ⅶ」に続いて、私の書き下ろし本「ロックフィッシュゲームがある日突然上手くなる」が登場します。

 つり人社最寄りの駅「神保町駅」。本の街、東京は神田神保町に、かのつり人社は所在しています。この本を著すにあたり、その依頼を受けたのは、さかのぼること昨年の10月。

別件の打ち合わせで東京神田の神保町はつり人社・本社を訪れていた時のこと。

その際、下の階からやって来た書籍部O編集長の「佐藤さんに本を書いていただきたいのですが」の一言が始まりだった。「本の発売は来年4月下旬の予定でいかがでしょうか?」と後に続けられたが、当時の私は翌年(つまり今年)からスタートになるプロズワンの立ち上げ準備で多忙を極めており、「大変恐縮なのですが状況が状況なので、今すぐには本の執筆には取り掛かれませんが、執筆スケジュールに関しては追々改めてご相談させて下さい。」との返答だけをして、社を後にしたのだった。

その後、本の執筆・出版するに当たり正式な契約をさせて頂くことになったのであるが、執筆に取り掛かったのは2ヶ月以上が過ぎた年末になってから。

プロズワン起業準備と並行しての進行のため、時間的に余裕がないことも手伝い、本書の執筆に至っては自身の睡眠時間を削る以外にその方法はまず考えられなかった。そのためプロズワンとしての仕事をいったん終わらせてからその後の時間を執筆にあてていた。1日の疲労もピークに達する深夜というか、場合によっては早朝といった方がよいものか、午前2時~3時にようやく布団に入ったかと思い目をつぶれば瞬時に7時の起床時間になっている。睡眠時間は正味4~5時間という期間がしばし続いた。正直、体力的には限界ギリギリだった。

「見えない壁」を意識すると明日の釣果が違ってくるさすがに若さ溢れる10代~20代前半のようにはいかないまでも、私のようなアラサー世代は年齢的にはまだ無理してでも働けることから、多忙に伴う毎日のがむしゃらぶりには我ながら生活リズムの不規則さ・不摂生もいいところである。

 

世間での、やれクリスマスだ!やれ正月だ!やれ新年会!という人々の行きかう年末年始のうかれムードとはまるで無縁の時間だった。

年を改め、そんな日々も2月に差し掛かるとプロズワン公式ウェブサイトをオープンさせ、釣具問屋主催のメーカー展示会へのブース出展、5月にはバークレイからはガルプSWダブルウェーブ3”の発売、続く6月にはプロズワンからシューティンウェイ3機種の同時発売が控えていたため、相変わらず無我夢中で業務をこなしていた。

本の発売は4月下旬であるため原稿と写真、写真のキャプションからなる全データは3月下旬には出版元に入稿しなければならない。原稿のうち8割超が完成していた3月11日、あの東日本大震災が発生した。この日本で、しかもこの地元でこのようなことが起こるなんて本当に信じられなかった。

本の原稿を書き綴っていたパソコンは津波で水没し再起不能。最後の頼みであるバックアップ用USBも津波で流されてしまった。

事態が事態とは言え、本の著者としては心血を注ぎ、精魂込めて書きあげた原稿を失うことはショック以外の何物でもなかった。本の発売の約1ヶ月前にして、こともあろうに全ての原稿を失った私は震災で受けた惨状に更に追い打ちをかけられるようにとてもやりきれない気持ちで一杯だった。

ご周知の通り、未曾有の大震災による被害は甚大で、被災地ではしばしに渡って過酷で苦しい生活を強いられる状況に陥り、4月下旬を予定していた出版は当然のごとく延期。

そして6月下旬。出版社と協議のうえ、保留になったままだった本書の発売計画を11月下旬に改めることで計画を練り直し、同時に消失した全144ページ(つまり一冊全部)を再度書き直す決意をする。

佐藤文紀著 ロックフィッシュゲームがある日突然上手くなる自分が書いた原稿とは言え、脳内記憶を頼りに書き綴っても失った原稿とは完全に同じにはならなかった。

そうであれば、その「土台」部分は同じでも、より多くの方々に楽しんで頂ける表現や内容にさらに取り入れてみよう、と心がけたことで実際に新しく生まれたページや加えられたページも中にはある。そういう意味では“新原稿”では、よりその視点・視野が広がりを見せる展開になったとも言える。タイムリーな情報を提供する月刊誌(雑誌)とは別の本であること、そして単なる実釣参考書ではつまらないから、エッセイ的要素や“読み物”(単行本)としての文面も多く取り入れた内容に仕上がった。

この本は「自称:中級者」の方が「真の中級者」になることを目標にしたコンセプトの元に作られています。そして、根魚の生態や習性、釣り人が一方的に抱いている現実とのギャップを含め、ロックフィッシュゲームがなぜ面白いのか?という根魚釣りの本質的な部分をもう一度みんなで見つめ直してみましょう、という焦点から書き綴ってあります。

どんな本でもそうであるが、一冊の本には著者の魂(心)がこもっている。本って、著者の心を映し出す“鏡”そのものなんですよね。

 根魚が大好きな方、根魚を釣ることが大好きな方、根魚釣りをもっともっと深く追求していきたい向上心溢れる貴方に私は本書を贈ります。

「アイナメUNDER WATER」の血統を受け継ぐ根魚本。

【佐藤文紀著 ロックフィッシュゲームがある日突然上手くなる】

一冊まるごと、根魚のお話。

読めば読むほど、その意味の深さが伝わるよう丁寧に書き綴りました。                                                                    

さぁ、貴方も海底の住人達に会いに行きましょう!

 

 

 

 

 

 

話の続きは、本書の中にて―。

本の中で再び貴方とお会い出来ること、私も楽しみにしております。

ロックフィッシュ地獄Ⅶ

先日11月8日発売の「ノースアングラーズ2011年12月号」に続いて、昨日14日には人気根魚専門誌「ロックフィッシュ地獄Ⅶ」が発売された。

今回のロックフィッシュ地獄の取材地となったのは北海道室蘭市。一方、ノースアングラーズ誌では同じく北海道の苫小牧市で取材が行われているが、道央太平洋側は道内でも有数のアイナメ釣り場として知られている。

荒磯が続く本州・東北は三陸沿岸の出身ということも手伝って、私の場合は各媒体では「磯撃ち」、「テキサス」、「ブチ抜き」といった要素が色濃く反映されていて、これまでは豪快なパワーフィッシングを披露することが多かった。それは磯っぱりでもボートロックでも同じこと。頑強なベイトタックルでヘビーテキサスをブン投げ、50UPアイナメを獲るといった過酷なシチュエーションでの体当たり取材が大半だったものの、今回のロックフィッシュ地獄ではベイトタックルとは相反するスピニングタックルを手に、繊細なライトリグを駆使して大物を狙い仕留めるという描写になっている。

室蘭港をつなぐシンボル・白鳥大橋。典型的なベイエリアの海です。今回は舞台が磯場ではなく、ベイエリアの防波堤であること、そして釣況そのものがスピニングタックルの方が、より適切だったいうこともあり、これまでとはまた違う“手の内”を誌面でご紹介出来たのも斬新で良かったと思う。

 

劇中では新しい釣り方やリグのオンパレードだ。公の場で正式にご紹介するのは初めての言葉も多いから、読者皆さんにとっては余計に目新しく写るかもしれない。

今回誌面中に登場する新しい言葉は下記の3つ。

●シューティンウェイ・スキップラン(SWC-802EXH)を用いることで可能となるヘビータックルで軽めのリグを繊細に扱う「ヘビーライト釣法」。

●シューティンウェイ・スイミントレーサー(SWS-702L)+マーキング付きPEの組み合わせによる「テンション0⇔100釣法」。

●オフセットフックを接続したスプーン+ガルプSWダブルウェーブ3”の組み合わせによるフラッシングを伴う“クネクネ”アクションが艶めかしい「スプーンリグ」。

 足場が良くてメジャーな港湾部は、老若男女誰もが気兼ねなく行けるフィールドであることが魅力だ。

その反面、磯からの釣りはポイントに入るだけでも大変な労力を強いられる。車を停めた場所から、そのままの足取りで楽にポイントに入れる釣り場はそう多くはない。特に三陸のような東北太平洋側ではその傾向が顕著だ。むしろ、わざわざ一ヵ所のポイントに入るために一山を上り下りして、道なき道をひたすら藪こぎしながら、ようやくたどり着いて釣りを開始したのはいいものの、期待とは裏腹にまるで魚っ気がない…。次のポイントに移動しようにも帰りの体力のことを考えると、この先を更に突き進むだけの余力や気力がもう残っていない…。正直な話、過酷である。

釣りというよりは、むしろハイキングを通り越してロッククライミングに近い。磯場では一歩足を踏み外せば、ケガどころでは済まされない局面もあるため、まさにそれ相応の心構えと万が一の事態に備え、完全装備で挑む必要がある。

こういった磯のオカッパリでは体力に自信のある者、そしてある意味、チャレンジャーな者が優勢になりうる。場合によっては釣りをしている時間よりも、山歩きしている時間の方が長いにも関わらず、仮に一発当たれば人知れぬポイントで密かに大物を手に出来る可能性も秘めているため、一度こういった体験をしてしまった人は「夢よ、もう一度」と、今日も磯場へと足繁く通うことだろう。

これは山深い渓流における源流釣りにも同じようなことが言え、まさにエクストリーム・フィッシングの部類と言えよう。

 室蘭市は道内屈指の重化学工業都市として知られています。一方、誰もがアクセスしやすい港湾部は手軽に行ける反面、プレッシャーは恐ろしいほどに高い。磯場は無限とも思えるほど魚の着き場も豊富にあるが、防波堤では元々、魚のいる数にも限りがあり、その限りある資源を釣り人同士がこぞって“取り合い”する形になってしまうゆえ、人的プレッシャーが必然的に高まっていく環境にさらされている。

そこで、「人と同じ道具を使い、人と同じ釣り方をやっていたところで釣果もまんべんなく各自に行き渡るか?」と言えば、残念ながら今の世の中それほど甘くないのが実状である。

正直、誰かが連日訪れているということは、魚の視点で考えれば「常に釣りあげられてしまう脅威にされされている」ため、釣り人に至ってもこういった釣り場はライバルが多いだけに不利になる。必ずしも狙いの魚が自分にまで“いきわたる”とは限らない。

大切なのは限りある魚をどうやって確実に獲るか、数少ないあの大物をどうやって自分に振り向かせるか、だ。

そういった境遇から編み出したのが、この上記3釣法(●)なのである。

これまで「根魚の聖地」と称されていた宮城県牡鹿半島は一時の異常なまでもの根魚人気に伴って聖地から激戦区へと変貌を遂げた。そして、この数年前からは半島全域での釣果が低迷していたことも記憶に新しい。特に防波堤では釣り人の少ない平日の深夜ならまだしも日中、それも週末となれば尋常ではないプレッシャーが掛かり、このような中でコンスタントに釣果をあげ続けることは本当に難しくなってきていた背景がある。

そういった中で人々はプレッシャーを少しでも避けるべく離島を目指したり、隣県の岩手沿岸へ北上するようになっていったわけであるが、普通に考えれば、毎回毎回そうしてばかりもいられないのも確かである。

だからといって、いつも釣り慣れているエリアにある、人が渡れぬあの岩の上まで辿り着くことも無理。でも、足場の制約がある磯場では人が立てる「釣り座」は限られているから、今日も同じ場所に入るものの、入れ代わり立ち替わり誰かが連日入ってくる状況に案の定、今日も釣果は望めない…という現状に一種の危機感を抱いていたのも事実だった。

そこで牡鹿半島で釣りをする際には、記録級の大物に狙いを絞るのではなく、そこそこなサイズを平均的に釣ること=毎回安定した釣果を得るべく「場所(足)で釣る」のではなく、「自分の技術で釣る」方法を私は模索し続けてきた。だから私はあまりランガンはしなくなった。狙い定めた場所であの手この手でじっくりと釣り込んでいくことが近年多くなった。

その過程で見出すことに成功したいくつかの要素を自身の“持ち駒”としていたことが、今回のロックフィッシュ地獄Ⅶのロケで遭遇した状況下で、いかんなく発揮され、あのビッグフィッシュへと辿りつけた。

何を隠そう、震災後、海のオカッパリ、ロックフィッシュのオカッパリをしたのはこの取材日が初めてだった。最後は今年2月の地元・牡鹿半島の漁港でのメバル・ドンコ狙いの夜釣りであったから、その間、私には8ヵ月のブランクがあったものの、ぶっつけ本番の取材ながら結果はしかと付いてきた。

白鳥大橋を渡る車中から。東京・台場のレインボーブリッジや横浜のベイブリッジにも似た雰囲気がありました。人とは違う視点を持ち続ける柔軟性とその戦略の幅(経験による引き出しの多さ)こそが、例え貴方にとってお馴染みのポイントであっても今日から新境地へと変わりうるのである。いつの時代も釣り人は魚を釣ってナンボであり、第一に釣れる釣りを末永くし続けたいですよね。

又、私のように一ヵ所のホームフィールドだけに留まらないタイプの釣り人にとっても、こういう視点で釣りを捉えることで、初めて訪れる釣り場で遭遇する予期せぬ事態や状況へも慌てずに対処出来るスキルが身についていきます。

今回、誌面を通じて読者皆さんに一番お伝えしたかったのは「時代背景に合わせた釣り方を自分で切り開く」という部分です。

取材当日、私が遭遇した状況とその過程で行き着いたパターンをご自身の釣りに重ねることで本誌面をご参照頂きながら、今後の貴方自身の釣りに活かして頂ければ幸いに思います。

一日のゲーム展開は、自分自身で造りあげていくものなのです。