ロックフィッシャー佐藤文紀

ロックフィッシャー
佐藤文紀
(さとうふみのり)
元祖・根魚ハンターとして、数々のIGFA世界記録及びJGFA日本記録を有し、「根魚釣りの専門家」として東北〜北海道を拠点に全国各地の根魚を追い続ける。
又、フラットフィッシュや大型トラウトの釣りにも造詣が深い。
2011年、自らがプロデュースするブランド、PRO’S ONEを立ち上げた。
NPO法人ジャパンゲームフィッシュ協会(JGFA)評議員

キャッチアンドリリースのお願い

豊かな自然とグッドコンディションの魚を守るため、必要以上のキープは慎み、又、産卵前の個体やこれから大きく成長していく若魚は、ぜひともリリースを心掛けましょう。
釣り場環境への負担を最小限に抑えることで、次世代に渡り末永く楽しめることを願って―。

帰国しました(4)韓国グルメ突撃レポート

韓国では鉄の食器も一般的。箸も日本とは異なり、扁平の形をして鉄で出来ている。ご周知の通り、韓国ではグルメの分野でも注目されている。中でも、香辛料をたっぷり使ったキムチはその典型例ではないだろうか。

―しかし、「辛いもの」と「苦いもの」が苦手な私は、普段からこういった食べ物に自ら接することは少ない。ラーメンは“超”がつくほど大好きだが、担担麺はちょっと苦手…。カレーに至っても甘口派です。

なので、海外滞在中に心配になるのは言葉の次に食べ物と飲み物だ。      諸外国では日本人と現地の人達とは免疫力が異なるため、雨水はおろか水道水もそのまま飲料することは日本人にとっては好ましくはない。ペットボトルのミネラルウォーターやホテルやレストランで出される水については煮沸されたものが提供されるので、そういった点にまで配慮する必要性がある。

ということで、食事に関しても「辛いものと苦いものは苦手」ということに配慮してくれた現地スタッフ達が案内してくれた食堂・レストランはいずれも日本人の私でも美味しく頂けるお店。

特に、韓国といえばキムチと共に焼肉も有名だ。「骨つきカルビの美味いお店があるんですよ!」と工場スタッフ達との交流・親睦を深めながら訪れた焼き肉店は、とても美味しかった。しかし、ここは異国。日本なら箸で頂くところではあるが、ここでは左手に軍手をして更にその軍手の上から透明なビニール手袋をかぶせて、骨つきカルビを手づかみ(手袋でつかんで)で食するとのことだ。本場・韓国の焼肉は大変美味しかった。

驚くことに、韓国では牛肉より豚肉の方が遥かに高級な食材だ。ちなみに食事中に器を持って食べるのは、この国ではマナー違反。食事のマナーは国々によって異なるため、こういった点にもぜひ気をつけたい。

ちなみに私はサラダも好きなので、焼肉と共に目の前にあったサラダを口にしたとき正直、後悔した。

てっきりオクラかと思って食べたら、それはオクラではなく生の“青とうがらし”の輪切りだった。当然、むせる、咳き込むでとんでもなく辛く、水を勢いよくゴクゴク飲んでいると、私の向かい側に座っている工場スタッフ達は生の青とうがらしを、一本“丸ごと”バリバリ美味しそうに食べている……。彼らに「よく、平気だよね…」と伝えると、「ん?これ?美味しいですよ!」と即答してくる(笑)。

炭火で焼く焼肉はどれも極上のものばかりで、とにかく美味い。ついつい食が進む(これを日本で食べたら金額が恐ろしいが……)。途中、肉ばかりでもあれなので、「ごはんと日本でいう“味噌汁”(みそスープ)みたいなものはないですか?」と尋ねると、すぐにオーダーしてくれた。米どころ・東北出身の私はごはんにも相当うるさい(←こういう人ってめんどくさいですよねぇ)が、ごはんは米の種類は違うもののとりあえず普通に食べられたが、「味噌汁」として出された一品はやはりというか…やっぱり辛かった…。

素晴らしく美味しかった極上の骨付きカルビ。日本で食べたら、いったいいくらの値段になるのやら…。その他には本場の「チヂミ(海鮮風)」や麺にワカメが練り込んであるため緑色をしていた「韓国風うどん」はとても美味しかった。このうどんの出汁はタラの身を干したものを使うのだという。それにカボチャの千切りが入っていたのが印象的だった。

これらは辛くはないので味もマイルドで、多くの日本人に“万人受け”するメニューの一つであろう。

ということで、プロズワン工場スタッフ達とのコミュニケーションを深めつつ、発汗作用抜群のメニューも多々ある本場の韓国料理をとことん(?)堪能出来たのもよかったと思う。

帰国しました(3)

アトリエ・ボイルSalty!様、どうもありがとうございました。先日はアトリエ・ボイルSalty!誌の杉田社長が遠路、当事務所まで見舞い・激励に来て下さいました。

感謝申し上げます。

又、プロズワンの再開とシューティンウェイの完成・発売を記念して、Salty!編集部皆様よりステキな胡蝶蘭を頂戴致しました。どうもありがとうございました。

 

 さて、本日も続編です。

シューティンウェイ製造ファクトリーでは工場責任者を交えて、私の手作業による検品作業が進んでいく。人の手で1本1本検査していくのは思いのほか時間と労力を要する仕事だ。

プロダクトページにも掲載しているように、シューティンウェイは基本となる3機種からその構成をスタートする。ベイトキャスティングモデルの「ブラインドサイト」に「スキップラン」、スピニングモデルの「スイミントレーサー」だ。それぞれのモデルごとに用途が異なるため、とてもではないが甲乙つけることなど出来ない仕上がりとなっているが、そんな中でも今回、私が初めて手掛けるスピニングモデルはとりわけ着目して頂きたいと思います。

最高峰の根魚ロッド・シューティンウェイ、ここに勢揃い。ベイトキャスティングモデルはその理想的な調子やフィーリングを表現するのに多大な時間を費やしたが、その反面、スピニングモデルは思いのほか着々と開発が進んだのは私としても大変有意義だった。逆に、ティップの“程良い”柔らかさ加減から、曲がった時の竿のしなり方に至るまで、ロッドとしての味付け(=理想形)を当初よりはっきりと脳裏に画き出していたおかげで、1stプロトから非常に出来の良いブランクが生まれ、結果的には現段階においてこの釣りに求められるロッド要素すべてを凝縮することに成功した。

元々、スピニングモデルを作ろうと思ったキッカケは、自身が「本気で使える根魚用スピニングロッド」を1本必要としていたことは勿論であるが、かつて北海道の苫小牧の海で釣りをした際にジグヘッドリグとテキサスリグとでは「これほどまでに釣果に差が出るのか!!」と、リグと釣り方による圧倒的な釣果差を体感したのが始まりだった。

今、思い出しても実に衝撃的な釣れっぷりだった。最大57cmを筆頭にこのパターンだけでアイナメなら船中軽く100本超えの釣果をマークしたのだ。この時、ジグヘッドリグのアイナメ・ソイに対する本質的な有効性を改めて痛感すると同時に、荒磯続く三陸沿岸とはまた異なるフィールド特性に対応させるべく帰省するやいなや、すぐさま港湾部におけるジグヘッドリグを高次元で扱うためのスピニング・ブランク構想に着手した。これが2009年6月のことである。

「苫小牧釣法」完全対応スピニングロッド・スイミントレーサー。これまでも様々な場で述べてきたように、一口にロックフィッシュの釣りとはいえ地域が変われば、釣り方やシチュエーション、更には魚の習性にまで大なり小なりの変化や差が生じる。そういう意味では全国的な見解例として「東北~北海道=大型ロックフィッシュの聖地」と思われるのは今もなお変わりのない不変の事実であるが、その地域的特徴は実際のところ大きく異なっているということは、全国的な視野を考慮すると残念ながらまだあまり知られていないのも現状なのかもしれない。

更には東北地方と言えど、太平洋側と日本海側ではロックフィッシュを取り巻く生息環境や魚影の濃さ、市場規模にも温度差があり、更には道内においても道南~道央にかけてと道北・道東方面でも魚種ごとの魚影の濃さや海ごとに異なるエリア環境と釣りスタイルから生じる“地域の個性”が際立っている。私はこのことを、デメリットとして捉えるのではなく、むしろとても魅力的だと感じている。

アタリを目で捉えることを可能とするバイトマーカーメモリーティップ搭載。私はこれまで長い年月をかけて自身の足で各地を釣り歩き、見て・学び・体験を積み重ねることで今日まで自らの経験と知識を得てきた。とにかく大型根魚がいる場所には、自分の憧れの根魚がいる海には多少遠くても率先して行くことを心掛けてきた。それは、ひとえに「根魚釣りのもっと奥深いところにまで到達したい」という、この釣りへの並々ならぬ情熱から。これは本当に貴重な経験であると同時に今日まで根魚界の最先端を走り続けてこれたのも、地道ではあるがこういった積み重ねによる部分が大きい。

「井の中の蛙、大海を知らず」という言葉にもあるように、自分の知ってかったる地元一点にこだわり過ぎず、色々な海を見てみたい、自分の行った事のない海で釣りをしてみたいという考えだ。だからこそ、「この海ではこういう釣り方が有効なんだな」とか「あそこではこういった釣り方がメインであるけど、この場所ではこんな釣り方もあるんだな」という“地域差”というものを沢山見てきたし、実釣の場において、ご当地ならではの差が生む積み重ねこそが最終的な釣果に大きく影響を及ぼすことも身に染みて理解している。

それだけに「ご当地ごとの釣り方・釣法を大切にしたい」という想いから、特に大量のカタクチイワシが接岸してくる夏の苫小牧で爆発的威力を発揮するジグヘッドリグによるスイミングアプローチの威力は本当に凄まじく、専用ロッドの必要性と白老・室蘭地区を含めたこの海の更なる発展と将来性を感じたのです。本当に素晴らしく豊かな釣り場だな、と。

そのような経緯もあって、当時既に開発が進んでいた数種のうち陸っぱりバーサタイル&ボートロックにも対応する7.2ft、磯っぱり&足場の高い防波堤用の8ftのベイトキャスティングモデルと並行して、この“苫小牧釣法”に焦点を当てて開発した「スイミントレーサー」が産声を上げることになったのです。

仕上がったロッドはこうして最終検品の順を待ちます。昨夏の苫小牧での実釣テストでは50UPのクロソイ・アイナメ双方にも屈しないトルクを備えながら、フォール中の咥え込みバイトさえフッキングに持ち込む独自の「乗せ掛け」テーパーが炸裂。更に場所を移して、東京湾・横浜ベイエリアにおけるクロダイのキャスティング落とし込み釣法において半日15枚もの大型クロダイと対等し、地元の宮城県沿岸ではマゴチにヒラメ、尺メバル、更には本来では用途外であるシーバス・サバ・サワラといった回遊魚(上物)を相手に痛快極まりない綱引きをさせることでブランクに限界までの負荷をかけて、耐久テストを図ることで強度的にも十分であることが見事に証明された。

とにかく1本の竿で苛酷なまでに魚を釣り続けることでテストを重ねた納得の仕上がりには、ぜひご当地の皆さんにこそ手にとって頂きたいプロズワン“こだわり”の逸品でもあります。

まさに必然として苫小牧の海が生み出したオリジナリティーロッドとも言えるでしょう。

帰国しました(2)

さて、本日のブログも韓国渡航編です。

ご周知の通り、現在「世界陸上」が韓国で開催されていることも手伝い、世界各国から多くの要人・選手・観光客が訪れているため主要道路であるハイウェイ(高速道路)は大渋滞。おまけに交通事故も所々起きており、私の訪韓中には移動時間に少々時間がとられてしまった。

韓国の道路は大渋滞していましたちなみに韓国は“超”のつく自動車社会。車種はセダン型がほとんどだが、車のハンドルは欧米のように左が一般的で、日本車はほとんどといって言いほど見かけない国だ。実際、今回の訪韓中にはトヨタ車1台を見ただけである。

 

街は日本のような一軒家(都心部では別ですが)は少なく、高層アパートが至る所に乱立。又、駐車場という概念を持っていないらしく、日本とは異なり車庫証明も不要で、適当にその辺への路駐が当たり前ってところが凄い。(日本国内じゃ、一発で切符切られてしまいますが…)それだけに韓国人は車のドライビングテクニックも卓越しているのも特徴的だ。

空港や街の中心部から一歩抜けると、そこは日本の田園風景のような世界が広がっている。

青々とした田畑が目に入ってくる度に一瞬、我が故郷・東北地方を彷彿さえるほど韓国も豊かな“米どころ”なのだ。

そのような隣国の景色を楽しみながら、プロズワン韓国ファクトリーへ到着。ちなみに空港から工場までは信頼の置ける現地スタッフ達が送迎してくれる。感謝。

さて、ここからは私と現地スタッフ、工場スタッフ、関係スタッフを交えての検品作業が進行していく。まずは第1弾として同時リリースされるシューティンウェイ3機種それぞれの生産ロットを検査していくが、どれも極上の仕上がり。塗装やガイドラッピングまでこだわり抜いた熟練の職人達が真剣に作業に取り掛かっている。

仕上がってきた量産品はこのように並べられていきます。釣り竿は工業製品の一種ではあるが、うちの竿は機械でガッチャン、ガッチャンと自動の流れ作業では出来てはこない。ブランクを作るところから最後の仕上げに至るまで人の手による手作業の行程が実に多いのだ。まさに職人泣かせなほど手間暇かかる。

およそ、その工程の6割方は職人達の熟練の「手の感覚」によって仕上げられていく。

その後、出来上がってきたばかりの量産モデル1本1本をアルコールで拭き取り、最後は私自らが素手で1本ずつ全品、厳格な審査をしていく。そこで初めて「OK」サインを出して、竿袋に丁寧に梱包されていく。作り手にとってはまたとない幸せな時間であると同時に、ずっと立ちっぱなしで淡々と行わなくてはならない作業につき、これが意外と足腰と目にくる。この時、万が一少しでも気になる点を発見した時点で、修正の指示をし、その場で職人にやり直しをしてもらう。それがプロズワンの検品規定。

モノ作りに一切の妥協を許さない厳しさこそが信頼のクオリティーへと繋がっていくのです。

検品待ちの量産モデル達。これは、これまで開発やプロデュースに関わってきた製品全てに言えることであるけれど、私が作った、私が携わった製品に関してはこのことを一番重要視しています。だから、ユーザー皆さんにはぜひ安心して長くお使い頂きたいと思っています。

 

本来であれば、工場内では写真撮影は一切厳禁ですが、記念すべきプロズワン第1号製品の完成ということもあり初回に限り、当ブログ読者の皆さんだけに特別にちょっとずつお見せしていきましょう。

 

             次回へ続く。

帰国しました

あまりの多忙につき、ブログにまでなかなか手が回らないほどの超過密スケジュールが続いている。だいたいにしてプロズワンの立ち上げに、当ウェブサイトの作成・監修作業、原稿執筆に商品開発、フィールドテストを抱えたまま迎えた昨年末のXmas~正月は、休暇すらまともにとっておらず(唯一、休めたのは元旦だけですが)、この夏も連日忙しくお盆休み返上で業務にあたった次第。

体力的には結構ヘロヘロだが、その高ぶる気持ちだけでなんとか体を動かしているような状態だ。まぁ、それが私の役目と言えばそれまでだが震災後の疲労と溜りに溜まっている仕事量も相まって身体への負担が日々蓄積していっているのが自分でもつくづく痛感しているほどだから、まだ遠い先の話とはいえ何気に老後が心配な今日この頃です……。

又、世間ではお盆休み真っ只中の期間中にも関わらず、地球丸SALT WATER誌の中村編集長がカメラマンと共に遠路、当事務所まで見舞い・激励にいらして下さいました。改めて感謝申し上げます。

 東京羽田国際空港より韓国へ。                                                                                         

―さて、先日までプロズワン韓国工場滞在につき、日本にいなかったというのが正直なところだ。

プロズワン第1号製品であるロックフィッシュロッド「シューティンウェイ」製造ファクトリーがある韓国にて、私自ら渡韓し出来上がってきた量産品を1本ずつ厳正に検査する検品作業をおこなってきた。

仕上がったばかりのロッド1本ずつ手にとり、わずかでも不良箇所や規格外の汚れ等がないか厳しく検査をしていくのだが、朝から晩まで続く終日「立ち仕事」は思いのほか腰にくる。更に体力のみならず、頭もフルに使う作業だから、意外と細かな神経も要する作業だ。

それにしてもファクトリースタッフ・職人達はよく頑張ってくれたと思う。プロズワンの佐藤本人が日本から来ているという緊張感(?)の中、ファクトリー内では熟練の職人達が私の指示した作業をテキパキとこなしていく。

ロッドを製造する際、検品作業に関してはメーカーによって検査規定はさまざまだ。製造工場に一切合切お任せしてしまうメーカーさんもあるし、責任者が工場に直接出向いて最後に1本ずつ丁寧かつ厳密に検査を進めていくメーカーさんもある。

プロズワンは後者で、最後の最後には責任者である私がファクトリーのある韓国へ渡航し、皆さんのお手元に届く前に、1本1本自らの手によってその仕上がり具合をチェックしながら検品。その検査基準は一般的な基準以上に高く設定しているため、時には熟練の職人達ですら困惑してしまうことも。

ファクトリーや職人達は数えきれないほど膨大なロッドを日々作製するのがその主たる業務だが、それだけに少しくらいの不良箇所なんて気にしてられない、というのも彼らの主張であり、本音でもあるだろう。あくまでそれが基準内のごく“わずか”なものであれば、なおさらのことである。

しかし、私が思うには「ファクトリーにとっては数ある1本の竿でしかないかもしれないが、それを買ってくれるお客さん、つまりユーザーにとっては大事なお金をはたいて買ってくれているというんだ、という認識と感謝の気持ちは絶対に忘れてはならない」という姿勢を貫いている。

工場で働く職人にとっては何百本、何千本という膨大な数の中の1本に過ぎないが、使い手である釣り人にとっては一人一人にとって“かけがえのない1本”なのだ。それが私からユーザー皆さんへの誠意であり、妥協なきプロズワンのモノ作り精神。

そのため、時間も手間もいつも余計にかかってしまう。時間的配分・作業効率の面からすれば非常に効率が悪いけれども「製品を手にとった皆さんの喜ぶ顔が見たい」、「最後の最後まで作り手の情熱と気持ちのこもった製品をお届けしたい」という一心で開発製造をおこなっています。

これからの根魚釣りをクリエイトする新感覚ロッド・シューティンウェイ。デビュー、間もなく……。

 

 

 

 

 

 

 

これはシューティンウェイに限らず、ガルプSWダブルウェーブ3”や岩礁カウンターロックなど、これまで私が生み出してきた製品~書き綴ってきた原稿に至るまで全てに共通していること。

大量に作り、大量に売りさばくことが既にトレンドになってしまった現代の消費社会において、ある意味逆行していると指摘されても仕方ないものの、素朴で少々地味かもしれないが「人が作っている」という“手作り感”と“心意気”を大切にした質の高い製品を一つずつ真心込めてお届けするのがプロズワンのあるべき姿。

これからの根魚釣りを皆さんと共にクリエイトしていくシューティンウェイ・シリーズ。

ウサギアイナメ~オオモンハタまで、南北に続く根魚列島・ニッポン。

プロズワンから全てのロックフィッシャーへ。

その極上のフィーリングを皆さんご自身のフィールドで体感して頂けるその日が、もうすぐそこまでやってきています。

 

それでは次回も韓国渡航編をお伝えしましょう。

タフコンディションの救世主

この日はバスフィールドへ。

8月中旬に差し掛かって、何気に今年初めてのバス釣り。

それだけに非常に楽しみに、いざフィールドへ向かったのはいいものの、フィールドは大減水に見舞われ、更に水質悪化に伴ってアオコが発生している状況…と、誰がどう見ても芳しくはないのは明らか。それでも既に来てしまった以上は最善を尽くそうと、出来る限り“水の生きている”エリアを探していく。

同行の仲間が朝一、立木からスーパースプーク(ペンシルベイト)でジャスト40cmを出したのはいいものの、その後は只々沈黙の時間が流れ大苦戦。とにかく魚っ気が感じられず、バイトも出ない。フィールド全体的に水が悪く、トップウォータープラグを引いて水の泡がいつまでも残っている場所ならすぐに見切りをつけて広範囲をランガンしていく。

ダブルウェーブをセットするした場合のスイム姿勢私は朝マズメに一発デカいのを獲りたかったので、最初からビッグベイトをひたすら投げ続けていたが、さすがに「ドッバ~ン」と激しく水面炸裂するような感じには程遠いと感じ、次にバングオーのスイッシャータイプとダータータイプ(ジャークベイト)を交互にローテーションして攻めるも30cm弱の小バスが1本のみ。

それでは…とPEラインを巻いたスピニングタックルを取り出しパワーフィネスアプローチを開始する。しばらくして、5gガード付きライトラバージグ+ガルプSWダブルウェーブ3”の組み合わせで、立木の枝の中を1本ずつ“ほぐす”ように丁寧に誘いを掛け40cmほどのバスを掛けたものはいいものの、ランディング寸前にファインワイヤーのフックが伸びてしまい魚に逃げられてしまった。このような条件下ではその1本が非常に貴重になってくるタフコンディションの中、とりあえずダブルウェーブだから何とか口を使ってくれたような印象の魚だっただけに、この後再びまた魚が出るかは分からない状況だ。

トレーラー次第で釣果にも影響が出ることがあるので軽視出来ません。スピニングタックルでのフィネスな釣りを徹底すれば何とかいけるかもしれないとは思ったが、あまりに釣りの展開が遅くなり時間と共に暑さも厳しくなっているため、出来るだけ早いタイミングでそれなりの魚をキャッチしておきたいと思い、一か八かスピナーベイトに切り替える。ウェイトは水深によって3/8ozと1/2ozを使い分け、どちらにもダブルウェーブをトレーラーにセットする。ダブルウェーブをトレーラーにすることでシャローをよりゆっくりと引けるメリットがある。更にスピナーベイト本体にはない、ダブルウェーブが放つ独特の動きとビジブル効果、強烈なニオイ効果もプラスされることで新たな生命体へと昇華する。

とにかくスピナーベイトを手返しよく投げまくり、バンク沿いのストレッチをタイトに流していくと、立木と杭の沈んだエリアに差し掛かった。今時期は、少しでも流れの当たる面を通すことが重要だ。要は溶存酸素の多いところが狙い。更にカバーとしての意味合いとシェードとしての機能を果たすエリアは一等地となる。ダブルウェーブをセットした1/2ozスピナーベイトをキャストし、立木と杭の境目の空間を通すとリーリングしている手が強制的に止められた。待望のバイトだ。スピナーベイト+ダブルウェーブのコンビで44cm                                                                                        竿のストロークを活かしてしっかりフッキングを決めると、まずまずの重量感が伝わってくる。途中、1回派手にジャンプされたが魚の口が切れない限りはラインテンションさえ一定に保てば大丈夫だ。

 

ようやく喰わせた魚にして、おそらくこれが本日の最大魚だろうから、いつもより慎重にやり取りしランディングすると案の定、薄皮一枚だけのフッキングとなっていた。サイズは44cm。

朝4時半から釣りを始め、この時点で11時。この魚にたどり着くまで結構しんどかったものの、昨秋以来となるバス釣りを久々に堪能した次第。自分の信じた釣り方が報われると、やっぱりうれしいですね。

シャロークランクを投げていた仲間も私に続いてスピナーベイト+ダブルウェーブにチェンジして42cmをキャッチ。うまく釣果がまとまったところで潔く納竿。

時期が時期だけに連日の猛暑による減水や水質悪化でフィールドによっては厳しい釣況のところもあるかと思いますが、海の釣りとは異なり、内水面の場合には魚は必ずどこかしこにはいるはずなので、あとはどうやって魚を見つけるか、いかにして口を使わせるかが重点的に問われるのがバスフィッシングの醍醐味でもあると私は思います。

また秋にでも釣況が好転してきたら、ぜひもう一度再訪してみたい。

 

■タックルデータ

<ビッグベイト用ベイトタックル>

●ロッド:シューティンウェイSWC-722EXH“ブラインドサイト”

●リール:レボエリートパワークランク

●ライン:シーガービッグラン5号(21lb)

●ルアー:ティンバーフラッシュJr. ジョインテッドクロー改148、

     鮎邪デットスロー

 

<PEパワーフィネスタックル>

●ロッド:シューティンウェイSWS-702L“スイミントレーサー”

●リール:ステラ2500

●ライン:バトルシーバスPE1号

●リーダー:ショックリーダープレミアムマックス10lb

●ルアー:5gガード付きライトラバージグ+ガルプSWダブルウェーブ3”

 

<巻物用ミディアムベイトタックル>

●ロッド:6.5ftミディアムベイトロッド

●リール:レボエリートIB HS

●ライン:シーガービッグラン3.5号(15.5lb)

●ルアー:デルタフォースTR+ガルプSWダブルウェーブ3”

     バングオー、ザラスプーク

 

●偏光グラス:ZEAL OPTICS ヴァンクガガ

●偏光レンズ:TALEX アクションコパー