ロックフィッシャー佐藤文紀

ロックフィッシャー
佐藤文紀
(さとうふみのり)
元祖・根魚ハンターとして、数々のIGFA世界記録及びJGFA日本記録を有し、「根魚釣りの専門家」として東北〜北海道を拠点に全国各地の根魚を追い続ける。
又、フラットフィッシュや大型トラウトの釣りにも造詣が深い。
2011年、自らがプロデュースするブランド、PRO’S ONEを立ち上げた。
NPO法人ジャパンゲームフィッシュ協会(JGFA)評議員

キャッチアンドリリースのお願い

豊かな自然とグッドコンディションの魚を守るため、必要以上のキープは慎み、又、産卵前の個体やこれから大きく成長していく若魚は、ぜひともリリースを心掛けましょう。
釣り場環境への負担を最小限に抑えることで、次世代に渡り末永く楽しめることを願って―。

「North Angler’s」2012年8月号 発売

★プロズワンからのお知らせ★

プロズワンフィールドスタッフ・安瀬修一、プロズワンフィールドモニター・宮島達也、関口和弥による苫小牧市のロックフィッシュ記事が収録された北海道の釣り総合誌「North Angler’s」2012年8月号(つり人社)が7月8日(日)発売されました。

最大54cmを筆頭に大型のソイが連発。苫小牧沖のデカゾイゲームの様子をぜひご一読下さいませ。

■North Angler’s 2012年8月号(つり人社)「デカアブとセットで釣れる 苫小牧沖はソイもビッグ!」

梅雨の空に故人を偲ぶ

季節は梅雨。あいにくの雲空が続くが、それも日本の四季ならではの情景。

 

 

 

 

 

 

 

分厚い鉛色の空の下、しとしと降る雨。

季節は文月、梅雨―。

なにかと暗い話題が多い世の中、この曇天の下で淡くも鮮やかな花と凛とした葉緑で私達の心を彩ってくれる紫陽花(あじさい)の存在は、いっそう大きく感じられる。

 

今週は関西に向かった。

 開花を迎えたアジサイの花々。これからその時を待つ、つぼみも愛らしい。                              

 

 

 

 

 

 

ルアーアングラーには「カルティバ」ブランドでお馴染み、オーナーばり社の中道会長が病気療養中のところ、誠に残念ながら先日亡くなられた。行年79歳。

「社葬・お別れの会」が執り行われ、私も謹んで参列させて頂いた。

会場となった帝国ホテル大阪には釣り業界関係者が多数参列し、今は亡き会長の訃報を悼んだ。

34歳の若さで、現・オーナーばりの前身である“オーナーばり本舗”を奥様と共に立ち上げて以来、今では世界でも有数の釣りバリ専門メーカーとしての不動の地位を確立したメーカーの創業者だけに、さぞかし大変な想いで今日までご自身の会社を成長・維持されてきたことは業界人の誰もが敬意を表するところである。

 

今宵は故人を偲び、同社との思い出を少し書き綴ってみたい。

どうかお付き合い頂ければ幸いである。

雨に濡れる葉緑も実に鮮やか。美しい緑は見ている人間の心さえも癒してくれる。

 

 

 

 

 

 

 

カルティバの中でもロックフィッシュ関連商品である“岩礁ブランド”の監修役として、とりわけロックフィッシュアングラーの間では今や定番商品となった「岩礁カウンターロック」の開発に至っては、かなりの期間を要したものだった。

オーナーばり本社がある兵庫県西脇市まで何度も通って技術担当者はじめ同社のスタッフ達と時間を忘れるほど一つのハリの開発・会議に没頭したことも、製品の発売から早3年を迎える今でも新鮮な記憶として残っている。

2008年、既存のバスフィッシング用オフセットフックとは一線を画する、根魚専用コンセプトを明確化した私の手書きスケッチを元に、熟練の釣りバリ職人のハンドメイドにて、のちに“カウンターロック”と名付けられるこの針の開発はスタートした。姉妹品でもあり初期製品でもある岩礁メガトンロックは“強度重視の飲ませバリ”(その証拠にナローゲイプ設定)というコンセプトで作られた針であるが、とにかく「曲がらない」・「折れない」ことに特化させるため、線径には極太ワイヤーを採用。その太さゆえにフッキング性能に関しては、正直なところその次に甘んじるしかなかった。しかし時代は進み、ロックフィッシュアングラーの爆発的増加は人的プレッシャーという新しい課題に直面し、タフコンディション化が急激に進んでいく最中、スレた大物のショートバイトを瞬速でフッキングに持ち込み、皮一枚でもいいから唇に“絡め獲れる針”がどうしても必要に迫られた。

時代が確実に変わっていっていることを、私はひしひしと痛感していた。

 

危険を承知のうえ、並大抵の人なら侵入出来ないような秘境的フィールドに釣趣を求める場合を除き、漁港や港湾部、小磯や足場の良い磯場であればメジャーポイントゆえに連日、入れ代わり立ち代わり多くの根魚愛好家が押し寄せるため、ロックフィッシュジャンルにおける全体的な釣獲率は年を追うごとに下降気味になっていったことは誰もが実感していただろう。

それでも、いかなる状況においても、可能性がある限りは“どうにかして釣りたい”と思うことは釣り人なら誰しもが共通する願い。そこで、「釣れる人」と「釣れない人」の差は何なのか、という次元で考え、話を進めていくとフックアップに持ち込めない魚をいかにして減らす努力をするか、という一つの結論に至った。これはUNDER WATERの水中映像が私達に教えてくれた海底で起こっている真実の一つであった。魚がルアー(ワーム)にバイトするまではルアーそのものの性能面にも大きく委ねられるが、ルアーにバイトした後は、それを確実にフッキングするための針の性能も同時に伴わなければ、これから益々難しくなっていくビッグフィッシュとの駆け引きを制することは勿論、これらを釣り上げることもより一層難しくなってくる。

 

岩礁カウンターロックは究極のフッキング性能という課題に、より特化した“掛けバリ”を目指してその長きに渡る開発がスタートした。私が考える根魚専用のオフセットフックの理想形をあらゆる角度から検証し、サンプルを何度も作り、それを持って主に北陸・東北・北海道のフィールドで私が随時テストをおこなっていったモノ作りの現場。思いおこせば、最終プロトが滞在先の北海道苫小牧市内のホテルに届いた2009年6月のある日。翌日、勇払マリーナ所属で当時はまだ駆け出しの新米船長だったボイジャーの安瀬君(現:遊漁船「流駕」船長)のところで、テキサスリグ縛りで大型アイナメをボコボコに釣り、その圧倒的なフッキング性能を確信するに至った。私があまりにも妥協知らずの釣り人ゆえに正直、釣りバリとしては異例の長き開発テスト期間を要したため、カルティバ首脳陣もさぞかし、やきもきしていたに違いない。でも、そうでもなければわざわざ新しいモノを作る意味もないし、その存在意義すらない、というのが私の考えだった。どうせ作るなら最高峰のものを作ろうじゃないか。自身の胸中はそれだけだった。

梅雨がないはずの北海道であるが、その日は朝からずっと雨の降る1日だった。それでもこの日、苫小牧の海でようやく「完成」のゴールが誰よりも早く私には見えた。よって、この時点で量産化OKのゴーサインを出しても別に問題はなかったのだが、最後の最後は私の地元の海でという強い想いから、北海道から戻るなり宮城県の牡鹿半島に繰り出し、日中ドビーカンの潮止まりというタフな状況ながら54cmのアイナメをキャッチしたことで、その海の上からオーナーばりに電話し、正式に量産化のゴーサインを出した。その堂々たるアイナメの口元にキレイにフッキングしていた時は、また新たな製品の誕生に歓喜したものだった。

下の写真がまさにそれ(↓)。2009年、私達があの悲しい出来事に直面する2年前まで話は遡る。旧来から続いてきた牡鹿半島の美しい海がそこには確かにあった。ちなみに後ろに見えるのは田代島。写っている自分も若々しいため、ちょっと赤面ものだがこの日はたまたま梅雨の中休みの晴れ間。日中のドピーカンの潮止まりでモソッという微妙なショートバイトを瞬間的に合わせて獲った54cmのアイナメ。この魚が量産化への決めてとなった。

2009年、梅雨の晴れ間の宮城県牡鹿半島で岩礁カウンターロックの最後のテスト。この54cmのアイナメが量産化の決定打となった。

 

 

 

 

 

 

 

この針の名前の由来は、喰い渋るショートバイトをカウンターフッキングで絡め獲ることが出来る“即掛け仕様”の針、ということ。ちょうどボクシングのカウンターパンチを私は強くイメージしていた。この商品の名づけ親も勿論、私本人である。

東北は言うに及ばず、北海道釧路市のウサギアイナメとカジカ、北海道苫小牧市のアイナメ、富山県富山湾のキジハタ、石川県能登半島のベッコウゾイ。極め付けは岩手県重茂半島で36cmのメバルをこの岩礁カウンターロック3/0(最終プロト)のテキサスリグで釣り上げ、テスト段階からそのフッキング性能の差が明らかなものであることを釣果という形で社内外に対し証明出来た事も幸いだったと思う。後にメバルは当時のJGFA日本記録及びIGFA世界記録にもなったことも今は良き思い出の一つだ。

量産化が進み、製品の出荷を目前に控えた完全版「岩礁カウンターロック」の“第1号”は、同年10月にロケが行われた「アイナメUNDER WATERⅡ」DVD撮影時にもいち早く導入。

その後、岩礁カウンターロックという根魚専用オフセットフックは今日に至るまでロックフィッシュアングラー皆様のお手元にお届けされている。

 

開発中は、実釣現場でプロトサンプルを直火であぶって、そのつどペンチで微調整しながらワームのホールド性能と極限のフッキング性能の融和を図った。又、その期間中は日々、台所にどのくらい立っていただろうか。キッチンのガスコンロで針を熱し、ミリ単位で針先の向き、角度、ゲイプ幅を微妙に異なる調整をしたサンプルをいったいどれだけ作ったことか。

気の遠くなる地道な作業の連続だったが、ひたむきに根魚のことを考える日々は多忙ながらにして充実したものだった。

根魚専用オフセットフック「岩礁カウンターロック」(カルティバ)

 

 

 

 

 

 

 

 

社長の座をご子息にお譲り、会長に就任した後もご出社され、多忙な業務をこなされていた故・中道会長。

長きに及んだ岩礁カウンターロックの開発中、同社を訪れると専務である奥様、ご子息である社長と共に遠方から来ている私に笑顔で優しいお言葉をかけて下さいました。

 

遡ること45年前。関西の地で、一人の青年が抱いた大きな夢。その不屈の精神は、長きに渡って今日の釣り業界を支える功労者の根底にあったものに違いない。

この日、改めて私は目にしてきた。

 曇天の下、アジサイの色彩はいっそう際立って見える。                              

 

 

 

 

 

 

一時は回復に向かっていた矢先、

突然訪れた訃報に、この度は誠に残念でなりません。

改めて、お悔やみ申し上げます。

どうか、やすらかにお眠り下さい。

本当にどうもありがとうございました。

 

合掌

文月~梅雨色の空に清流のアユを想う~

満開に咲き誇る、アジサイの花。梅雨、真っ只中のこの頃。

今年も厚い曇り空のキャンバスを、淡い色どりで染めるアジサイ(紫陽花)の花々が見頃を迎えた。

梅雨空のアジサイから晴天の青空のヒマワリに至るまで、私は夏の花が大好きだ。

そう、海の季節に咲く花を目にすると、心が躍るのは今も昔も変わらない。

 

 

沖縄県は西表島から南国の恵みを送って頂いた。

かつて高校時代、夏休みや冬休みを利用して住み込みで釣り修行に行きお世話になっていた、西表島フィッシングガイド・マリンボックスのオーナー・宮城さん(愛称はマスター)からだ。

毎年、この時期になると獲れたてのパイナップルを恵んで下さるのだが、実はコレ、ただのパイナップルではない。沖縄県西表島のパイナップル。手前が桃の香りがするピーチパインという品種です。

 

 

 

 

 

 

 

写真の3つ並ぶパインのうち、手前の色味が違うのが「ピーチパイン」という桃の香りがする品種で、生産農家も少ないためにとても希少なパインなのだ。瑞々しい中にまろやかな甘味があり、とても美味い。

いつもながら本当にありがとうございます。

 

さて―。早いもので今日から7月。

文月である。自身の名の由来にもなっているこの月は、本格的な夏の到来を告げる。

事実、宮城県のアユ釣りは7月1日に一斉に解禁となる。

私はアユ釣りはしないのだが、毎年このニュースを耳にすると心が弾む。

杜の都・宮城県仙台市内を流れる広瀬川では今日は朝早くから多くのアユ釣り師が“夏の風物詩”を楽しんでいたようだ。全国広しとはいえ、都会の街中を流れる川でこれだけアユ釣りが楽しめる場所も貴重な存在だ。広瀬川はそんなアユが住まう清流を今日まで維持してきた。宮城県では昨年のあの時はまだ海にいた稚アユたちが津波で流され、その大半が岸に打ち上げられてしまい、その後に遡上する稚魚は少なくアユの魚影はどこも著しく低下したが、今年は各河川の漁協が釣り場の再生と釣り人の誘致を目指して尽力し、その放流量も例年以上に増やしたところ、震災前の6割程度までアユの数を戻すに至ったと、ニュースで報じていた。

 

アユ釣り解禁と共に、その終了の目安になるのが春の魚である本流のサクラマスだ。

東北~北陸のサクラマス河川をくまなく釣り歩く、さすらいのトラウトマンも過日「今年のサクラマス釣りはこれで終了するよ。」と、しみじみ語っていた。

彼は今年の3月末。宮城県北上川下流域の追波川で私のすぐ横でサクラマスならぬ、60cmオーバーのスチールヘッド(↓)を釣り上げた。今年3月末の北上川下流域の追波川で60cmオーバーのスチールヘッドを釣り上げた粕谷君。

さすがにこれには私も脱帽してしまったが、この男にとって、サクラマス釣りは生きがいというか、ある意味人生そのものだから、その愛すべき魚達と来年までしばしのお別れとなるのは、それなりに寂しいのだろう。

 

先日もサクラマスシーズン終了を目前に控え、ラストスパートに山形・秋田を回った後に北上川水系を岩手まで遡り、朝からサクラマスを狙っていたようだが、掛かったのはサクラマスならぬ大型のレインボートラウト。ご存じ、ニジマスだ。

粕谷君が北上川上流で釣った大型のレインボートラウト。サクラマス狙いの外道だそうです……。

 

 

 

 

 

 

 

2~4月上旬に北上川水系下流域でヒットの声が相次いだスチールヘッド化した個体がサクラマスの群れと共に遡上していったのだろうか。それとも、別のルートで入った普通のニジマスなのだろうか。

上(↑)の画像始め釣果写メが色々届いていたので、とりあえず「すごいね」と返しておいたら、すぐに「デカいけど、ニジ色のマスでがっかり…」との返事がきた。

普通、このサイズのニジマスをネイティブフィールドにおいてヒット&ランディングに持ち込むことはサクラマスよりも貴重だとも思えるが、「デカいサクラマスだと思って本気でファイトしていたから、ランディング間際にニジマスだと分かって落胆してしまった」んだとか…。要は自分なりの魚ではなかった、ということを本人は言いたいのだろうが、事情はどうであれデカいニジマスを釣って落胆する釣り人もこの男ぐらいではないだろうか―。

粕谷君は狙い定めた獲物は必ず獲る。いつも、誰よりも大きなマスだけを狙っている。決して殺気立つことはないが、目の前に“狙いの魚”がいるかもしれないって時の真剣な雰囲気は普段とはガラリと変わり、こちらも驚くくらい集中しているので、まさに二重人格者ではないかと疑ってしまうほどだ(笑)。それほど彼の中のマス釣り事情は洗練されているのだろう。秋の北海道に行くたびに60cmオーバーのネイティブレインボーは必ず釣ってくる。それも1尾ではなく、複数に及ぶから驚きだ。

 

 それから近頃は東北にも空前のナマズブームが到来し、トップウォーターフリークの間ではかなり盛り上がっているようだ。元々、バスやライギョの釣りが好きな人にとってはナマズゲームは自然な流れだろう。過日、岩手県に住むロックフィッシュ好きで更に“ナマズ狂”の友人から画像が届いた(↓)。ナマズ用ルアーとしてはノイジー系などのトップウォータープラグが代表的だが、魚の活性が低く、いまいちトップに出来らない時はシーバス用のシャローランナーを水面をヨタヨタと引き波立てながら引くとボコボコに釣れるのだとか。つまりトップウォーターミノーイング。しまいには「この“ナマズロッド”(別名:SWC-802EXH)は遠投が効くし、とても使いやすい」と、貴重なお褒めの言葉を頂戴した時には、さすがにどう返答したら良いか分からなかったが…。

シューティンウェイはナマズロッドではありません。が、ナマズにも使えるそうです。

 

 

 

 

 

 

 

これほど楽しそうなナマズ話が次から次に舞い込むと、今後もしばらく多忙な日が続くが、何とか時間と取って“ちょっとばかり”私もナマズ釣りに行ってみようかなぁ…と少し考えてしまう、7月の始まりである。

 

そんなことをふと思っていたら…、今季のサクラマス釣り終了宣言したばかりの、例のトラウトマンから電話がかかってきた。

なんだろう?こちらは別に用事ないのだが。

それとも、またデカいニジマスでも釣ったという知らせだろうか。

「はい、どーも! 今季のマス釣り終了につき、今度ナマズ釣り行かない?めちゃめちゃ面白くて、今ハマってるんだよ!」。

 …………。 この男も…ナマズか…。(←1人で勝手に行って下さい。)

北の大地を釣り歩く。(4)

50UPクロソイを万歳持ち。総重量は優に5キロを越えているので、ひたすら重いです…。ご覧の通り、本命・クロソイは50UP(画像左50.5cm、画像右52cm)を2投連続でキャッチし、その2本の重量は優に5キロ超え。

魚を持つ両腕がずっしりと重い。

更にこの後、40~45cm前後も連発。

十分過ぎる釣果を叩き出し、個人的には「もうお腹一杯」の状態に…。

 

 

正直、いくら何でも「今日はさすがにこれでもう終わりだろう…」と私は帰りの身支度を始めたところ、ベイトタックルからスピニングタックル(シューティンウェイSWS-702Lスイミントレーサー)のライトテキサスに切り替えていた安瀬君のリールのドラグが突然、高音を立てた。

「ジ~ィ~」とドラグ音が鳴りっぱなし…。ロッドが大きく曲がったままになり一瞬、足元の根に潜られスタックしたが、すぐにラインをフリーにして緩め、タイミングを図ってロッドを立てると少しずつ魚が浮いてきた。このあたりの一連の動作は相当やりなれた感を受けた。しかし、隣で見ていても明らかに魚がデカいことは分かった。「これは結構、いい魚ですね~。」とキャッチしたのはこの日最大となる54cm!!  その重量は優に3キロ後半はある。

最後の最後に釣ったのは…この男。安瀬君の54cm!!

 

 

 

 

 

 

 

 

54cmのクロソイ。その計り知れないド迫力は「見事!」の一言に尽きる。

 

 

 

 

 

 

 

 

とにかく凄い迫力だ……。あまりにも迫力あり過ぎる魚体。

この日はハカリを釣り場に持ち込んでいなかったのが悔やまれるが、もしかすると正確に測定すれば4キロを超えているかもしれない凄まじいド迫力のクロソイだ。東北でも2キロクラスのソイならクロソイにしてもベッコウゾイにしても見慣れてきたサイズではあるが、さすがにこれの倍の重さのソイとなると…まるで次元が違う。

口元のダブルウェーブと比較すれば、この魚のデカさがいかなるものか…分かると思います。

 

 

 

 

 

 

 

それこそ1キロ~2キロのソイなら可愛く感じてしまう。本当に感覚がマヒしてしまった。改めて、この北の大地が日本屈指の「ソイの海」であることを実感した。

 ヒットルアーはやはり、ガルプSWダブルウェーブ3”のホワイトグロー。まさに圧倒的です。                              

 

 

 

 

 

 

この本場の海でもヒットが集中したのはやはり、ホワイトグローカラーのガルプSWダブルウェーブ3”。リグは3/8ozのライトテキサス。

タフコンディション下における、その圧倒的な釣れっぷりは計り知れないものがある。

人気の高い釣り場はそれだけに連日多くのアングラーが集まる今日。まさにハイプレッシャー化が進んだ現代の過酷な釣り場環境ゆえに、ダブルウェーブの存在は必要不可欠。

 このように、釣り場に来てソイを狙うも5時間以上ノーバイトの状態から、魚の居場所と釣り方を見つけ出したことで、沈黙を続けていた釣り場は一気にパラダイスへと変貌を遂げた。こんな時代だからこそ活性の高い魚ばかりを追い求めてのラン&ガンはせずに、粘り強く“釣り方を定めた”ことが功を奏した展開になった。根魚は上物や回遊魚とは異なり、一際大きいビッグフィッシュともなると、こういった釣り方の方が最終的に功を奏すことが多い。プレッシャーの高いメジャーフィールドにいる大物こそ、要は“一瞬だけ口を使う時合”がある、ということだ。その僅かな時合の変化に気付き、的確な釣り方を実行出来るか否かの世界が存在する。                              この腹…ヤバ過ぎです。どれだけ太いのなんのって…。

 

 

 

 

 

 

「アイナメUNDER WATER」の発表以来、ロックフィッシュゲームの世界観が根本的に見直されたように当の本人である自身の釣りも大きく進化した。

それを境に機動力を生かし大海原を広範囲に移動出来るボートからの釣りとはシチュエーションが異なるオカッパリゲームでは、例えすぐには釣れなくても“自分の狙う魚がここにいる”という雰囲気を強く感じた場所では、あらゆる手段を駆使しながら粘り強く攻め続けることにしている。自分の立ち位置を頻繁に変えるのではなく、釣り方や仕掛け(ルアーの形状や色、リグのバリエーション変化)を変えることの方が多くなったのだ。いるけど喰わない、水中ではルアーを追ってるけれどフッキングに至ってしない魚達をどうやってフックアップに導くか。自分が気づかなかったアタリをどうやって、アタリとして認識出来るようにするか、といった問題を解決する方が大事だからだ。

スポーニング時期の根魚は資源保護のため、くれぐれもキープは控えリリースを心がけたいものです。

 

 

 

 

 

 

 

ラスト1時間の奇跡。40cm~54cmに至るクロソイ(40cm未満はカウントせず)を我々二人で10本以上キャッチ&リリースし、大満足で堤防を後にした今回。

北海道に到着早々、あいにくの雨の中、寒さに耐えながらの釣りとなったが有終の美を飾った爆釣劇は本当に凄まじいものだった。

 

釣り方とタックルの選定で明らかな釣果に差が出た今釣行。ルアーセレクトとカラーセレクトも非常に重要で、それらを魚の定位しているピンスポットにドリフトさせていき(※ルアーを流すコースを外したら釣れない)、“ある一瞬”だけ喰わせの間を取って、目の前に来た時に確実に口を使わせるスキルがなければバイトに導くことも困難を極めた。

 又、近距離で3キロ前後・50UPの巨ゾイ、更には水深に関しても、かなりのシャローとなれば魚は勢いよく根に潜ろうとするから、バットだけ強化されたスピニングロッドでは対打ち出来ない。魚の重量で竿が曲がった状態にあっても、バットまで力の負荷が掛かってしまう前にベリーを支点とした竿全体のパワーがブランクに平均に分散してキレイな弧を描いて曲がってくれるロッドでなくては、このようなビッグフィッシュを自在にコントロールすることは難しい。そうでなければ、せっかく掛けたのはいいものの獲れない魚が出てくる。むしろ、ルアー操作の段階で魚をバイトに導くことはおろか、仮に掛けても根の奥深くに潜られてしまうか、あるいはファイト中のラインブレイクだって否定出来ない。

安瀬君の釣果。画像左:55cm、画像右が50cm。ダルさが出ない範囲でバイトを弾かない“喰わせしろ”を残し、ライトロックで多用する2g~3gのジグヘッドリグも普通に扱うことが出来る繊細さに加え、3キロ、4キロ超の巨大根魚にも決して負けることのない肉厚のブランクパワーを秘める、シューティンウェイSWS-702Lスイミントレーサーの本領発揮である。            スピニングリールはドラグ性能の良く、ハイギヤながらも力強い巻き取りが出来る3000番が合う。

 

ラインはPE1号を用いるがスベリの良さと飛距離優先の8本撚りではなく、擦れてから破断に至るまでの時間を稼げる4本撚りの方がこの釣りでは向いている。4本撚りは少しテンションを抜いた時でも8本撚りと違って感度(芯)が残るため、トータル感度を得やすいことにも繋がる。そして先端に40~50cmほどのフロロ20lbリーダーを接続した3/8ozまでのライトテキサスを結ぶ。リグは岩礁カウンターロック3/0にガルプSWダブルウェーブ3”のホワイトグローの組み合わせ。夜釣りにおけるホワイトグローカラーの効果(※グローの面を下側にしてセットするのがオススメ)は本当に実感する。ここに、堤防オカッパリ巨ゾイゲームに挑む完成された一つの形がある。

 アイナメと違って、気まぐれな性質を持つソイ族は限りなく魚の視点から釣り方を合わせていかないと、なかなか思うような釣果は得られない魚種だ。昼間に釣れるムラソイやベッコウゾイとは異なり、夜行性のクロソイはことさらオカッパリゲームでは夜の海がメインステージとなるため、釣っている人間側が、魚よりも一歩先読みした的確な状況判断をしなければならない。

この日、我々が獲った巨ゾイ達が教えてくれたこと。

それらは、全てこの釣果に集約されている。

 

さて―。旅の初日早々、いい釣りが出来たのはいいが…雨に濡れ、吹きつける寒風で身体の芯から冷え切ってしまった。

釣りを終え、温かいラーメンで冷えた身体を温める。この時間がいい。こちら東北でいう4月上旬~中旬の服装で挑みながらも、5月中旬の北海道の夜釣りはそれでも底冷えする。

釣り場を後にすると「晩飯はラーメンで。」と私が口にする前に安瀬君の方から「やっぱり今夜もラーメンですかね(笑)?」と切り出してきたので、その通り、留萌市内のラーメン店散策。

本降りの雨の中、ほどなくして見つけたラーメン屋さんに辿り着き、私は「野菜ラーメン大盛り」を完食。冷え切った身体がようやく温もりを取り戻した。

 

初日早々素晴らしいスタートを切り、のちにこれから本番を控える今旅への想いを募らせた春の北海道釣り旅の一日だった。

 

タックルデータ

■スピニングタックル<ライトテキサス>

●ロッド:シューティンウェイSWS-702Lスイミントレーサー

●リール:ステラ3000HG

●ライン:シーガーテンヤ1号

●リーダー:シーガーショックリーダープレミアムマックス20lb

●シンカー:タングステンバレットシンカー 3/8oz

●クッションビーズ:オーナー夜光ビーズソフト原色4号

●フック:岩礁カウンターロック3/0

●ルアー:ガルプSWダブルウェーブ3”

  

●偏光グラス:ZEAL OPTICS アルマジロ13

●偏光レンズ:TALEXモアイブラウン(夜釣り用)

 

★北海道留萌沖堤 渡船<留萌港>

■正宝丸 (斉藤船長 )【受付番号090-8633-8910】

 

~ 素晴らしい釣り場を保つためのお願い~

留萌沖堤は誰もが手軽に訪れることの出来るメジャーポイントゆえ、釣り人のゴミのポイ捨てが後を絶たず、釣り場が年々汚れてきています。

渡船を担当する各船長さん方も注意を促しておりますが、釣り人による堤防上へのゴミ破棄問題に困っていらっしゃいます。

この海は投げ釣り、探り釣り、ウキ釣り、ルアー釣りなど年間を通して、様々なジャンルの釣り人が連日釣りを楽しんでいる場所です。

それだけにゴミは防波堤にポイ捨てせず、最低限自分達で出したゴミはどうかご自身で責任持ってお持ち帰りになり廃棄して下さい。又、釣り針や釣り糸は足に絡んだり、刺さったりして大変危険なためケガ防止の面からも防波堤上に破棄しないようお願い致します。

非常に素晴らしい釣り場です。ゴミのポイ捨て問題で釣り禁止・立ち入り禁止などにならぬよう、私達・釣り愛好家に課せられた最低限のルールを守りながら、末永く釣りを楽しんでいきましょう。

私からも今一度、お願い申し上げます。

北の大地を釣り歩く。(3)

季節柄、当日は対・デカゾイを意識し岩礁カウンターロック3/0にセットしたガルプSWダブルウェーブ3”(カラー:ホワイトグロー)の3/8ozライトテキサスで手にした50.5cmのビッグワン。

爆釣の扉を切り開いた50.5cmのクロソイ。狙い方を確信した1尾。

 

 

 

 

 

 

 

これが東北の釣り場であれば、「今日はもうこれ以上の魚は出ない。」と気持ちよく早々に帰り支度を始めてしまうだろう。

それに、どう考えても通常であれば打ち止めサイズに値する魚だ。

しかし、北海道に来るとそこから更なる次元が存在する可能性を密かに考えてしまう。事実、釣り人心理として、そう期待してしまう自分がいた。

 この魚を手にしたことで、確信は更なる現実に繋がった。

いったん、魚を傷めないためにも手際よく海中に投下したスカリに入れて蘇生を図る。アイナメにしてもソイにしても抱卵魚ほど、いつも以上に気をつけて丁寧かつ優しく扱いたいものだ。

ソイやメバルは同一スポットやその周辺に高い密度で複数の魚がいることがあるため、釣ったらその場にすぐにリリースすると周りにいる同族の魚も不用意に警戒し、余計なプレッシャーを与えてしまうことも少なくない。そのため、釣った魚はすぐにはリリースせず、一度スカリや新鮮な水で満たしたバッカンなどに入れておいて蘇生を兼ねて、最後にリリースするとか、すぐにリリース場合にも自分の立ち位置から少し離れた場所にリリースすることで、過剰なプレッシャーを避けながら釣果を伸ばすことも出来る。これを怠ると、自分の首を自分で絞めてしまうかのごとく、この後の釣れる確率を低下させるだけでなく、魚を散らしてしまうことで周囲の他のアングラーにも自分の気がつかないところで迷惑を掛けてしまうケースも考えられるためだ。

これ、ちょっとしたコツなんです。釣りスペースの限られているオカッパリ、中でも防波堤の釣りでは特に意識したい事項ですね。

皆さんもオカッパリ釣りでは、ぜひこの点にも注意深く意識して釣りをしてみて下さい。

ルアーにスレていくスピードや一カ所で釣れ続ける時間も多少なりとも長くなれば、釣り人には有利になりますので。

 

さて、興奮収まらぬ気持ちを抑え、次のキャストを再開する。

先程の魚が釣れた時と同じイメージでルアーを潮流に流しながら魚の口元まで運んでいく様子を脳裏に描く。フォールはカーブフォールで滑空させるのではなく、ラインの先に“たわみ”を意図的に作りながら極力、縦方向に真っ直ぐにワームが落ちていくようにフリーフォールを心がける。これはクロダイの落とし込み釣りからヒントを得た「テンション0⇔100釣法」の要素も取り入れた佐藤流ライトリグの操作法の一つ。この辺のラインスラッグ量とスラッグの作り方が非常に大事なのだ。

これが出来るか、出来ないかで釣果は確実に変わってくる。

そして…そのキャスト中にまたまたバイト。

クロソイのバイトはアイナメほど強いものではなく、むしろ大型といえどもアタリは小さめなので慣れないと分かりにくいかもしれない。よって、“アタリを聞く”ことが出来るティップを持つ竿が向いているのは言うまでもない。

幾多ものソイを釣り重ねることで徹底的に仕上げたシューティンウェイSWS-702Lスイミントレーサーが再び気持ち良く曲がり、グングンと海底を這うような重量級ファイトは実にエキサイティング。

キャッチしたのは52cmのクロソイ!!

先程の魚よりも更に重く、3kgくらいありそうだ。

サイズUP大成功。52cm!!

 

 

 

 

 

 

 

またもやサイズアップに成功。

デカいです!重いです!最高です!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

実に2投連続で50UP(50.5cmと52cm)のソイをキャッチしたことになる。

ヒットルアーは、やはりホワイトグローカラーのダブルウェーブ。圧倒的な威力を発揮しています。

 

 

 

 

 

 

 

この魚体、この目つき。これぞ「ソイ」という見事な魚です。

 

 

 

 

 

 

 

背びれを立てて、アングラーを威嚇。凄まじい迫力。オカッパリでも狙い方次第ではビッグフィッシュの道が開けることを証明した1尾。

 

 

 

 

 

 

 

さすがに笑いが止まりません。

その後、40~45cm前後を立て続けにキャッチ。プリスポーンの個体ゆえ、45cmならその重量は2キロ~2キロ半ぐらいがアベレージウェイトだ。

下の写真の40cm強だと、少し小さく思えた。

40cm強。これらもダブルウェーブで。50UPを見た後の登場なので、このサイズが小さく見えてくるから怖い…。

 

 

 

 

 

 

 

それもそのはず。50UPを2本釣った後、そして安瀬君の50cmを見た後では45cm前後、あるいはそれ以下のサイズを見ると、例えその魚が40cmのクロソイであっても必然的に小さく見えてしまうから何とも言い難い。目の錯覚って実に恐ろしいものだ。

通常、40cmのソイはうれしい大物だが、自分の釣りがピタリとハマったこの時だけは状況が違った。

 次回に続く。

 

タックルデータ

■スピニングタックル<ライトテキサス>

●ロッド:シューティンウェイSWS-702Lスイミントレーサー

●リール:ステラ3000HG

●ライン:シーガーテンヤ1号

●リーダー:シーガーショックリーダープレミアムマックス20lb

●シンカー:タングステンバレットシンカー 3/8oz

●クッションビーズ:オーナー夜光ビーズソフト原色4号

●フック:岩礁カウンターロック3/0

●ルアー:ガルプSWダブルウェーブ3”

  

●偏光グラス:ZEAL OPTICS アルマジロ13

●偏光レンズ:TALEXモアイブラウン(夜釣り用)

 

★北海道留萌沖堤 渡船<留萌港>

■正宝丸 (斉藤船長 )【受付番号090-8633-8910】