ロックフィッシャー佐藤文紀

ロックフィッシャー
佐藤文紀
(さとうふみのり)
元祖・根魚ハンターとして、数々のIGFA世界記録及びJGFA日本記録を有し、「根魚釣りの専門家」として東北〜北海道を拠点に全国各地の根魚を追い続ける。
又、フラットフィッシュや大型トラウトの釣りにも造詣が深い。
2011年、自らがプロデュースするブランド、PRO’S ONEを立ち上げた。

キャッチアンドリリースのお願い

豊かな自然とグッドコンディションの魚を守るため、必要以上のキープは慎み、又、産卵前の個体やこれから大きく成長していく若魚は、ぜひともリリースを心掛けましょう。
釣り場環境への負担を最小限に抑えることで、次世代に渡り末永く楽しめることを願って―。

彩り豊かな海外の根魚たち~カナダ・バンクーバーの海~

バスプロショップを見学した後、スタッフ総出で打ち上げへ。

天気にも魚にも恵まれ、今回のアメリカ合衆国カリフォルニア州でのロケも無事に完結です。

翌朝は、いよいよ日本への帰路となります。

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ということで、「旅の最後はステーキを食べに行きましょう!」ということになり、一路ステーキハウス(ステーキ店)へ。

日本でステーキというと「豪華」な食べ物という印象がありますが、アメリカはご周知の通り、肉文化の国。そのためステーキの価格もリーズナブルで、むしろ魚の方が肉よりも高かったりします。

 

 

翌朝は朝4時過ぎに宿をチェックアウト。朝7時発の飛行機に乗るため早々にロサンゼルス国際空港へ向かいます。

こちらから、カナダのバンクーバー国際空港で乗り継ぎをして千葉県の成田空港までのフライトです。

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ロス(アメリカ)からバンクーバー(カナダ)へ到着して目に入ったのは、こちらの大きな水槽。

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ここバンクーバー近海に生息するロックフィッシュがごっそりと入っている光景にすぐさま目が釘付けに。

なにせ、珍しいロックフィッシュのオンパレード!

そのどれも日本の海ではまず見ることが出来ない種類です。

 

一番、種類が豊富なのは「ソイ」です。

 

日本のクロソイに近い仲間である、ブルーロックフィッシュやブラックロックフィッシュ。

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姿形だけでなく、泳ぎ方やボトムから離れてサスペンドして浮いている感じもクロソイのそれに近い。

堂々と泳ぐ姿が、とにかくカッコいいです。

 

こちらは以前に大阪の海遊館でもお目にかかったカナリーロックフィッシュ。

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本場で見る個体は、より色が鮮やかに感じます。

黒や茶色い模様が多いソイの仲間において、この色彩は異例の存在ともいえるかもしれません。

 

こちらは、私の知る限りの知識では…バーミリオンロックフィッシュと思われる赤い色をしたソイです。

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日本の海で体色の赤い根魚というと、メヌケやキチジ、キジハタ、アカハタなどをまずはイメージするかと思いますが、バーミリオンロックフィッシュ系の体色が赤いソイはこの辺りには何種類か生息しています。

 

こちらはケルプグリーンリング。アイナメの仲間です。

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日本のアイナメと大きさは同じで、色模様が違います。

ケルプは「コンブ」、グリーンリングは「アイナメ」の意味。つまり直訳すれば“コンブアイナメ”ということになります。

 

続いて、魚が水槽の奥にいるので見えにくいとは思いますが、こちらはロックグリーンリング。アイナメの仲間です。

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ロックは「岩」、グリーンリングは「アイナメ」ですから、直訳すれば“岩アイナメ”。

よく見ると分かるように、この魚に限ってはウサギアイナメに似ていますよね。そうなんです、日本に生息するアイナメの種類にこの魚を当てはめれば、普通のアイナメよりもウサギアイナメ系統に属するアイナメという印象が強いです。

ウサギアイナメ系統のアイナメは背ビレに高さが通常のアイナメよりも幅が出ることで、ボディーに体高が出るためシルエットを判別しやすいのです。

アイナメ属という、ざっくりとした括りとなると含まれる系統はもう少しの種類が増えますが、「明確なアイナメの種類」としての海外種は「ケルプグリーンリング」と「ロックグリーンリング」という認識でいたので、すぐにこれらがその2種に該当すると分かりました。

私の場合は少し特殊なのかもしれませんが、「魚という生き物そのものが好き」という側面から釣りの世界に入門しました。なので、魚そのものにとても興味があります。特にソイやアイナメに関しては外国に生息する種類まで詳しく知りたくて、これまで少しずつ見地を増やしてきた。

ケルプグリーンリングやロックグリーンリングの存在もかつてより知識として頭の中では知っていたものの、それはあくまで写真でしか見たことがなかったので、目の前で生きている個体を初めて見ることが出来たのには、まさに感激モノでした。

 

こちらはスカルピン。

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スカルピンは日本でいう「カジカ」の仲間のことですが、個人的にはこの種類はカジカの体形でありながら顔はフサギンポに近い印象にも見えました。

 

他にも、アメリカ西海岸~カナダの太平洋側に生息するソイの仲間がたくさん泳いでいます。

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これらは全部、ソイの仲間です。日本に生息するソイの種類よりも遥かに種族が多い

 

こちらはカナダ産のエラコだと思われる生物(↓)。

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エラコは東北太平洋側~北海道の釣り人には特にお馴染みの存在ですよね。ルアー釣りがメインの方でも、エサ釣り経験者であればエラコの存在は知っているでしょう。

仮にそうだとしたら、写真では小さく見えるかもしれませんが目の前で現物を見るとパイプの長さが30センチくらいあるのも。

余談ながらエラコはその昔、宮城県内では「ネウ殺し」(ネウ=アイナメの宮城県内での地方名。“アイナメ必釣エサ”としての意味)などと言われていた時代もあったと記憶しています。

 

いずれもジャイアントケルプがゆらめく海でソイやアイナメ、カジカの仲間が悠々と泳ぐ姿がたまりません。

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水流になびく、ケルプ(コンブ)はアクアリウム性もばっちりで癒されます。

 

そして!そして!私が最も興味のある魚もこの水槽に1尾だけ隠れているのを発見し、それはもう大興奮。

語ると収拾がつかなくなる可能性ありなので、その魚については、いつかまた機会があればの時にでも。

 

自身にとって、最も馴染み深い魚の代表例である「根魚」。

その根魚の海外に生息する種類には興味が尽きません。

いくら頻繁に釣りに行っていても日本で普通に暮らしているだけではなかなか情報も出回らないし、日本のような「ロックフィッシュゲーム」という細分化されたカテゴリーで明確に根魚だけを専門に狙う機会も海外では少ないことでしょう。

けれども、“この系統の魚”で見たことない魚はやはりいつの日か自分の目で見てみたいし、そして出来ることであれば、己の手で釣りあげてみたい。

そして魚についても、もっと勉強したい。とにかく知りたい。

そう考えると、ロックフィッシュゲームの舞台って世界中の海がフィールドであるわけで、その世界観も本当にエンドレスであり、まだまだ上には上の次元が存在しているのだなぁ、と心底思えるものでした。

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奥深い根魚の世界。彼らの姿を見ていると、このカテゴリーにはまだまだ私たち釣り人の知らない魅力が残されていることを悟った次第です。

 

日本のロックフィッシュゲームも。海外のロックフィッシュゲームも。

1匹の魚と己がどう正対するか、で魚との向き合い方は変わってきます。

そこが己の目指している根魚釣りの最上の到達点であると信じてこの釣りに長年向き合ってきました。

 

今回、運良く巡り会えたバードサンドバスにしてもスポッテッドサンドバスにしてもそうですが、“根魚道”はそんな求道者が目指す「道」なのだ、と思えるものでした。

 

根魚一尾、夢一生。

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時代は変われど、私は人生の最後までこの根魚達とはなんらかの形で良き関係を保っていきたい、と、そう心に抱く夢の釣り旅となりました。

夢釣行~一魚一会の旅~。

皆さんも、どうか素晴らしい釣り旅を!