ロックフィッシャー佐藤文紀

ロックフィッシャー
佐藤文紀
(さとうふみのり)
元祖・根魚ハンターとして、数々のIGFA世界記録及びJGFA日本記録を有し、「根魚釣りの専門家」として東北〜北海道を拠点に全国各地の根魚を追い続ける。
又、フラットフィッシュや大型トラウトの釣りにも造詣が深い。
2011年、自らがプロデュースするブランド、PRO’S ONEを立ち上げた。
NPO法人ジャパンゲームフィッシュ協会(JGFA)評議員

キャッチアンドリリースのお願い

豊かな自然とグッドコンディションの魚を守るため、必要以上のキープは慎み、又、産卵前の個体やこれから大きく成長していく若魚は、ぜひともリリースを心掛けましょう。
釣り場環境への負担を最小限に抑えることで、次世代に渡り末永く楽しめることを願って―。

夏ソイ(ベッコウゾイ)! サマーロックを楽しもう!

今日の話題はこちらです。

①

毎日暑いですので文頭は涼しげな水中写真からどうぞ!

 

 

さて!

連日猛暑が続きますが、それでも「北国の夏」はあっという間です。

短い夏。

だからこそ、全力で夏を謳歌したいものです。

前回の綴りでもご紹介したショアでのアイナメ釣りは短時間ながら実に楽しいものでした。

 

では、オフショアはどうでしょう!?

ということでこの日はボート釣りへ。

今日のターゲットはベッコウゾイ。

 

こちら宮城県沿岸部の場合には水温が適水温内で安定する例年6月~7月中旬頃までがベッコウゾイ的にはベストで狙いやすい。

釣れたらうれしい魚ですが、とはいえ、魚数は混生しているアイナメよりも遥かに少ない魚なので本気で狙っても釣れないこともよくあること。

色々な条件が重なり合ってのことなので、狙うに値する時には本格的に狙う。

釣れなさそうなら見切る、くらいの心構えでさぁ~出発です!

上記、夏の最盛期は過ぎているものの、この日の第1投は午前11時頃からと、のんびりスタート。

完全なる日中、真夏のピーカンということで少しでも潮通しが良く、酸素供給の多い場所。なおかつ水深(周囲に10m以上の水深はほしいですね)が十分にあり、オーバーハングなどのベッコウゾイが身を潜めやすい場所条件が伴っていると更に遭遇出来る確率は高い。

 

海に出てみると雰囲気は悪くなく、釣れそうです。

 

②

早々に喰わせたのはクランクシンカーSP17.5gのテキサスリグ。

ロックンビーズソフト+岩礁カウンターロック2/0の組み合わせで、ワームはガルプSWパルスワーム4”。色はナイトクローラー(ミミズ色)。

ワームの色ひとつでも反応の差があるため、アタリカラーとハズレカラーの見極めはその日の釣果を左右してしまいます。

色選びはとても吟味します。

クリアな水質の真夏のピーカンのこの日の状況ではナチュラル系カラーは抑えておきたく、あとはシルエットがはっきりする真っ黒のブラックカラーもこのような日は有効なのでスタンバイ。

尚、ブラックカラーは魚の状態がルアーを追いにくい状況ではミスバイトを減らし、こういった条件下でも喰わせやすい色なのでそんなタイミングで投入すると良い色です。他の色で釣れない時ほど黒色の効果が高まります。

 

その後もめぼしいスポットを探して撃っていきますが、水深2m以内のシャローでは一発アタリあったもののスッポ抜け。

バイトを誘発したのはパワーベイト/パルスワーム6”のカラーはチェリーシード。パワーベイト素材のチェリーシードカラーは水がクリアな海域や状況では特に強い色です。

 

案の定、ドシャローエリアは水温が高過ぎるようで魚の気配はこのアタリ1回きりで、それ以外の反応は全部フグ。

群れるフグの猛攻でワームがズタズタにされて原型をとどめずになってしまうが、これはこの釣りでは避けては通れないもの。

関東以北の高緯度海域はまだフグだけで済むものの、西や南の海に下るとベラやハギの仲間もフグ同様にワームへ集団で猛攻撃を仕掛けてくるから場合によってはソフトルアーでは釣りにならないことも…。

 

それから見たら東北や北海道の海は、さすがに真夏ともなれば暑い…暑い…と言ってはみるものの、関東以南に比べれば水温は低めの方なので粘り強くフグをかわしつつもワームの釣りが成り立つ地域。

アイナメでもソイでも、仮に本命ターゲットがエサを摂取するのであれば、確かに釣りにくくはなるものの夏枯れの時期も風や影、カレントを見方につけてタイミングを選んで釣る手法も模索するに値します。

 

真夏のロックフィッシュゲームでは適水温と十分な水深、シェード、酸素、エサがあるところ=ターゲットのいるところ。

あとは居る魚をどう喰わすか、なわけですがそこが難しくも魚釣りの面白いところです。

まずは目に入ってきた情報を頭の中で考えて次の動作に移す。

まさに、考えるロックフィッシュゲームの醍醐味です。

 

続いてヒット!

③

再びベッコウゾイの引きです。

 

④

縦持ち。

 

⑤

横持ち。

 

今度はクランクシンカーSP21g+ロックンビーズソフト+岩礁カウンターロック3/0のテキサスリグ。

ルアーはガルプ!タートルバックワーム7”のチェリーシード。

さらにガルプ!マリネードにソークして匂いの濃度を更に高めておいたもの。

このワームは旧製品ですがベイトフィッシュの1種であるギンポのイメージでこの時は使用。又、カーリーテールワームにつきビジブル系としても使える点もうれしい。

ここ最近ロックフィッシュゲームを始めた方ですと昔のことなので存じあげないと思うのですが、このワームが出た当初はこのワームでソイがよく釣れたもので今では懐かしい限り。

日本にガルプワームがアメリカから入ってきてすぐの頃の製品群のひとつです。14年くらい前のことですね。

タートルバックワームは、亀の甲羅(タートルバック)のような凹凸形状がその名の由来になっています。

 

⑥

続いてアイナメも!

こちらはクランクシンカーSP21g+ロックンビーズソフト+岩礁カウンターロック2/0+パワーベイトパルスワーム4”のパンプキンシードカラーにて。

パワーベイトのパルスワーム4″のパンプキンシードカラーも私がストックする残り少ない年代物ですが(トーナメントストレングスシリーズという名で出ていた旧製品です。)、このワームのこの色は川水の影響を受ける海域で水が多少なりとも緑がかっている海域の真夏の暑い時期の日中に本領発揮する色なので、毎年この時期にそういった場所で釣りをする際にはケースに忍ばせています。

 

ソイやアイナメは楽しませていただいたので、最後はシーバスも狙おうということでマイワシカラーのシンキングミノーのただ巻きでシーバス4尾キャッチして納竿。

巻いて釣る釣りもいいですね。

こちらの海では実に久々となるシーバス。走る魚なので引き味がまた根魚と違って軽快なドラグ音もまた心地良し。

 

 

この日も、とても有意義だったノーザン・サマーロック。

 

真夏のベッコウゾイはシェード付きの深場を探すと吉。

水温が変動しにくく、できるだけ一定の温度帯で安定している場所が狙い目です。

それらを支えるいくつかの要素を眼で見て確認しながら間接的に魚に近づいていくためには、やはり優れた偏光グラスの性能が問われる部分が大きいです。

なので私はずっとTALEX(タレックス)×ZEAL OPTICS(ジールオプティクス)の偏光グラスを長年愛用し続けています。

⑦

目でポイントを探すロックフィッシュゲーム、まさに“ブラインドサイト”の釣りです。

 

手堅い条件であればワームを放って向こうから一方的に喰って来てくれる個体を釣る釣りは勝負早しですが、早々に釣れなくても【じっくり腰を据えて、居る魚を「考えて狙って釣る」根魚釣りもまた面白さ全開!!】です。

 

アイナメ・ソイ・ハタ・カジカ・カサゴ・メバル。

この時期はハタ類全般とウサギアイナメ狙いもとてもいい時期です。

 

引き続き、暑さ対策万全のもと夏ロックを楽しんでまいりましょう。

 

 

■使用タックル

●ロッド:ロックトランジット プロト

●リール:メタニウムXG

●ライン:シーガーR18 フロロリミテッド16lb

●シンカー:クランクシンカーSP 1/2oz(14g)、5/8oz(17.5g)、3/4oz(21g)

●クッションビーズ:ロックンビーズソフト

●フック:カルティバ/岩礁カウンターロック2/0、3/0

●ワーム:パワーベイト/パルスワーム4”、ガルプSWパルスワーム4”

     ガルプ!タートルバックワーム7”

●インナー:リトルプレゼンツ/ウェットトップ

●アンダー:リトルプレゼンツ/ウェットボトム

●ハーフパンツ:リトルプレゼンツ/SPリバーショーツ

●ネックゲーター:リトルプレゼンツ/クールネックゲーター

●偏光グラス:ZEAL OPTICS/ENZO

●偏光レンズ:TALEXトゥルービュースポーツ