ロックフィッシャー佐藤文紀

ロックフィッシャー
佐藤文紀
(さとうふみのり)
元祖・根魚ハンターとして、数々のIGFA世界記録及びJGFA日本記録を有し、「根魚釣りの専門家」として東北〜北海道を拠点に全国各地の根魚を追い続ける。
又、フラットフィッシュや大型トラウトの釣りにも造詣が深い。
2011年、自らがプロデュースするブランド、PRO’S ONEを立ち上げた。
NPO法人ジャパンゲームフィッシュ協会(JGFA)評議員

キャッチアンドリリースのお願い

豊かな自然とグッドコンディションの魚を守るため、必要以上のキープは慎み、又、産卵前の個体やこれから大きく成長していく若魚は、ぜひともリリースを心掛けましょう。
釣り場環境への負担を最小限に抑えることで、次世代に渡り末永く楽しめることを願って―。

今月の始まりは雪の日から。

3月1日、まだ夜も明けぬ朝5時前。

①

足元に積もる、やわらかい雪の感触。

そう、今月の始まりはこの雪の一日から始まったのだった。

 

今日の道路状況が心配だ。

道を急がねばなるまい。

 

3月初日の仕事の場。

朝一のフライト時間が押し迫る。

 

2月から続く残業が追い打ちをかけたこともあり、あいにく睡眠時間はごく僅か。

眠気抜けきらぬ己の身体が外の寒さでこわばる中、「頼む!目を覚ませ~!」と喝を入れ、今日も一日頑張ろうと上を向く。

 

 

②

暴風雪に伴う欠航に次ぐ欠航に難儀しながらも辿りついた道内は相変わらずのきれいな雪景色を醸し出していました。

洗練された北の都が放つ色彩が雪に反射すると、これがまたとても美しい街並みを引き立ててくれるものです。

 

 

 

後日。

 

③

澄んだ空気に雪化粧の鳥海山が聳える、雪代にじんだ大河の流れ。

目指すは、「たった1尾のサクラマス」。

釣れても、釣れなくても、の……ちょっとの気休み。

でも、この“ひと時”が幸せ~。

 

朝の気温は、もちろん氷点下。

④

釣り糸と糸を通すガイドが寒さで凍ってしまい、その都度に釣りを中断せねばならずー。

川原もご覧の通り、しばし凍りついたまま。

 

魚釣りを知らない人・しない人がこんな光景を目にしたら、「こんな状況で魚が釣れるのだろうか?」という疑念をきっと抱いてしまうことだろう。

もっともその前に、この時期に川に入ってまで魚を釣りたいのか…?と呆れられそうな気も…(笑)。

 

 

それでも、釣り人たちは挫けない。

挫けないのだ。

⑤

渾身のアワセをくれたのは午後になってから。

 

めげずに投げ続けていると、時々にはいいことだって起こるもの。

魚がルアーを襲う、“その一瞬”にすべてを懸けて待ち望んでいたことだ。

 

 

魚釣りでは、仮に釣り竿は折れても己の心だけは折ってはならない。

大きな魚が掛かった時、釣り竿は大きく曲がっても己の信念だけは曲げない。

そう決めているんです。

だから、いざ魚が掛かったら、あとは無我夢中に闘うだけだ。

⑥

春の恵み、サクラマスが釣り師が差し出すネットに収まった。

 

 

 

後日。

 

早いもので明日からお彼岸の入り。

⑦

「暑さ寒さも彼岸まで」という言葉があるように、彼岸入りを前に咲いていた梅の花。

あと1ヶ月もすれば、東北地方も桜の季節へ。

 

 

5年目の3月11日というまたひとつの節目を過ぎて、北国にもようやく巡ってきた春の兆し。

 

 

明日からは取材への対応日。

季節の変わり目の年度末、何かと忙しないものですが3月も早いもので半月が過ぎ…残りの半月も全力で切り抜けよう…と気を新たに。