ロックフィッシャー佐藤文紀

ロックフィッシャー
佐藤文紀
(さとうふみのり)
元祖・根魚ハンターとして、数々のIGFA世界記録及びJGFA日本記録を有し、「根魚釣りの専門家」として東北〜北海道を拠点に全国各地の根魚を追い続ける。
又、フラットフィッシュや大型トラウトの釣りにも造詣が深い。
2011年、自らがプロデュースするブランド、PRO’S ONEを立ち上げた。
NPO法人ジャパンゲームフィッシュ協会(JGFA)評議員

キャッチアンドリリースのお願い

豊かな自然とグッドコンディションの魚を守るため、必要以上のキープは慎み、又、産卵前の個体やこれから大きく成長していく若魚は、ぜひともリリースを心掛けましょう。
釣り場環境への負担を最小限に抑えることで、次世代に渡り末永く楽しめることを願って―。

北の大地を食べつくせ! 北海道グルメ・リポート

北海道は日本が世界に誇る“食材王国”として知られている。特に海産物系と乳製品系、じゃがいもにとうもろこしは言わずと知れた超一級品だ。

私はホッケとタラバガニが大好物なので、道内を訪れるとついつい毎度のようにお土産に買ってしまいます…。

なかでも羅臼産の真ホッケとオホーツク海産のシマホッケ(正式名称:キタノホッケ)の干物は抜群に旨い!これだけで、ごはんが進む、進む。

 そんな食の王国・北海道において、道内では超メジャーなご当地フードを本州の皆さんは知っているだろうか―。

正直、今回ご紹介するのは本州在住の方であれば、よほど「北海道が好き」とか「何度も旅行に行っている」という方でないと全く知らない(一般的には道外では聞いたことがない)ものかもしれない。

 

1つ目はジュースの「ナポリン」。道内では誰もが知る(らしい)超メジャーな炭酸飲料だそう。本州で勢力を拡大したコーラ(コカ・コーラでもペプシ・コーラでも)に代わって、道内の方が愛飲するガラナしか私も知りませんでしたが、このナポリンも有名とのこと。大人だけではなく、お子さんも好んで飲むそうなので、子供がいる家庭の冷蔵庫には常に1本あるとか、ないとか。

今回の道内滞在中、「佐藤さん、ナポリン知ってますか?」と聞かれ、「なんですか、それは?」と返したら、「これだけ北海道に来ていらっしゃるのに、ナポリンを飲んでないとはいけませんねぇ(笑)」と言われ、「はい、どうぞ!」と、わざわざ私に飲ませようと買ってきてくれたのを1本渡されたので、試しに頂いてみたが……、かき氷シロップを炭酸で溶いて薄めたような感じの味。ちなみに色はオレンジ色です。

自分の中ではこういう味は初めてなので何とも言えないところもあるが、とにかく独特の味ですね。とりあえず、ごちそうさまでした…。

 

2つ目はインスタント焼きそば(カップ焼きそば)。本州在住の方で、インスタント焼きそばと言えば、通常思い浮かぶのは「ぺヤングソースやきそば」を筆頭に、「日清焼そばU.F.O」、「一平ちゃん」、「焼そばBAGOOOON」などではないだろうか―。

余談ながら「焼そばBAGOOOON」は全国発売品ではなく、実は東北・信越地方限定発売商品です。

そんな銘柄ひしめく、インスタント焼きそば界において、北海道に行くとその常識はあっさりと崩される。北海道では超メジャーなインスタント焼きそば「まるちゃん・やきそば弁当」。略して、焼き弁。

北海道民を持ってして「インスタント焼きそばと言ったら、普通はこれでしょ!」っていう勢いなのが、まるちゃんブランドが北海道限定商品として展開する“焼き弁”こと、「やきそば弁当」。てっきり私は焼きそばの入っている弁当のことを差しているのだと最初は思っていたが…、見た目はごく普通のインスタント焼きそばである。が、麺の茹で汁を注いて作るスープの素が同封されているのが最大の特徴。

気になるお味は…美味しく頂けます。※やや脂分は強し。

 

後半は北海道ならではの海の幸を。

今回は宿泊ホテルの食事が非常に美味しく、更に道中に立ち寄った食事処もみな大当たり。あまりの美味しさに、ついつい多く頼み過ぎてしまいそうになるほど。

余市で頂いたヘラガニ(ヒラツメガニ)の甲羅焼きやカニ丼も絶品でした。

ご当地ならではの新鮮で旨い料理に舌鼓を打つ。これもまた旅の楽しみである。

 

ホテイウオ(現地名:ごっこ)を使った、ごっこ汁ごっこ汁。「ごっこ」とは正式名称:ホテイウオの北海道での呼び名。大学時代、「探偵ナイトスクープ」で北海道のごっこ汁が紹介されているのを見て、「何!?、この魚、釣ってみたい!」と非常に興味が湧いたのがそもそもの始まり。今から11年前の話です。自身は釣ったことはないが、今回念願叶って初めてごっこ汁を頂く機会がありました。

全身ゼラチン質で食感はこれまで食べたことがない味。クセは少々強め。今回はしょう油で味付けされたものが出てきたが、身質的には味噌仕立てで、もう一度食べてみたいと思った一品(私的にはこの魚は味噌仕立ての方があう気がする)。

ホテイウオは道南方面の沿岸の岩礁地帯を中心に冬場になると沖の深場から産卵のために上がってくる魚。ある意味、ロックフィッシュ系の仲間といっても別に差し支えないかもしれない。潮流に揉まれるように漂うようにして泳ぐため動きが遅く(鈍く)、水中を漂うクラゲをメインに捕食しているそうで、クラゲを模したソフトルアーを開発して(?)いつか機会に恵まれればロックフィッシュタックルで挑戦してみたい。

 

積丹半島産シマゾイの刺身積丹半島産シマゾイの刺身。ソイの類はきれいな白身魚で、焼いても煮ても美味しいが、新鮮なものはぜひとも刺身でも堪能したい。

 

ソイは見た目が“ごっつく、いかつい”印象の魚体だが、その食味は見た目とは裏腹にキメの細やかな深く上品な味わい。

 

室蘭で水揚げされたサクラマス(海サクラ)のソテー最後は、今が旬の魚・サクラマス。

こちらは室蘭産の海サクラのソテー

添えられている、キノコとの相性もまた実に◎。

この時点では、今季まだサクラマス釣りに一度も行っていなかったため今年初めて食したサクラマスがこれ。味付けも素晴らしく、「もう一皿おかわりして食べようかな…」と思ったほど。

北海道で漁獲(あるいは釣獲)されるサクラマスは基本、海サクラなので本州在住の方が釣りという行為を通じて釣獲する河川内のサクラマスとはまたちょっと味が異なる。川に入った個体、つまり“真水を飲んだ個体”の方が身に甘味が出て、よりマイルドな味覚に変化する。

いずれにしても、サクラマスは食材としても非常に素晴らしい魚だけに、海サクラにせよ、川のサクラマスにせよ、この魚を毎年堪能出来ることには大きな喜びを感じる。

 そんなサクラマスも海を越えて、現在は東北や北陸で最盛期に突入している。山の雪解けが本格化している岩手県、宮城県、山形県でも連日、多くのトラウティスト達が春本番を目前としている川辺に立ち、一心不乱に竿を振っている。ルアーキャスティングでも、フライフィッシングでも個々、想い想いの釣り方で。

私の地元・北上川水系下流域でもようやく大きな群れが遡上し、特に今週は爆発的な釣果が続いている。

桜前線が西から北上し、北国の大河に大鱒が帰還する頃、私達は本当の意味での春を実感する。

今年もサクラマス待つ、東北の大河へ。釣り師の朝は、早い。

 

 

 

 

 

 

 

そう、「魅力尽きない魚、サクラマスの不思議」とは、釣り人だけに留まらず、食通をも虜にさせる神秘に包まれた魚なのかもしれない。

今年もまた、そんな彼女に出会える季節がやってきた―。