ロックフィッシャー佐藤文紀

ロックフィッシャー
佐藤文紀
(さとうふみのり)
元祖・根魚ハンターとして、数々のIGFA世界記録及びJGFA日本記録を有し、「根魚釣りの専門家」として東北〜北海道を拠点に全国各地の根魚を追い続ける。
又、フラットフィッシュや大型トラウトの釣りにも造詣が深い。
2011年、自らがプロデュースするブランド、PRO’S ONEを立ち上げた。
NPO法人ジャパンゲームフィッシュ協会(JGFA)評議員

キャッチアンドリリースのお願い

豊かな自然とグッドコンディションの魚を守るため、必要以上のキープは慎み、又、産卵前の個体やこれから大きく成長していく若魚は、ぜひともリリースを心掛けましょう。
釣り場環境への負担を最小限に抑えることで、次世代に渡り末永く楽しめることを願って―。

サカナサク、海の旅。第1回・ロケ話(2)

飯岡港寄りに北上するに従い、震災の爪痕を多く感じる光景が広がっていきます。

信号機に取り付けられた「津波ひなん」を示す避難誘導看板。

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こういった看板が「ある」・「ない」の違いは万が一の状況下で人の運命すら分けることがあります。

東日本大震災で被った甚大な被害を切り抜けて生き残った我々はこのことを“生涯の教訓”として肝に銘じ、これからの防災対策に役立てていく必要があるものと考えます。

 

櫓(やぐら)も見かけました。

いざ、という時の“最後の砦”となる津波退避櫓。

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震災後、沿岸各地で設置されるケースが増えてきていますよね。

高台がすぐ近くにない海岸では最後の砦となるものです。

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災害はいつでどこで何が起こるか分かりません。

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今後は地震や津波への防災対策の一環として、全国各地の沿岸でこういった取り組みが進み、それに伴い高台のない平地が続く海岸(つまり逃げ場が少ない環境)では命を守るための緊急避難施設が設置・増設されていくことでしょう。

サカナサク、海の旅。第1回・ロケ話(1)

サカナサク、海の旅。【表紙タイトル】

 

 

 

 

 

 

 

現在リリースされている雑誌、SALTWATER2013年6月号(4月20日発売)からスタートした連載企画「サカナサク、海の旅。」

その第1回目の舞台となったのは千葉県房総半島の通称「外房」と呼ばれる太平洋側に面したエリアです。

今回のブログでは、誌面では乗せられなかった情景や様子をご紹介。

誌面の本文と併せてご覧頂ければ幸いです。

 

ロケ当日は朝3時集合。夜が明けぬ時間早々から動き始めます。

東京を経由して千葉へと向かいます。

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夜中だと、さすがの首都高速もけっこう空いていました。

 

千葉県の九十九里浜。

ここも東日本大震災時には津波が押し寄せた場所です。

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釣りはもとより、サーフィンの名所としても有名ですよね。

九十九里浜は広大なサーフが続き、ヒラメやシーバス、イシモチ(ニベ)などが狙えます。

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九十九里浜の海岸線沿いには道路が貫いています。

ずっと海を見て走ることが出来る、とても開放的で開けた路面です。

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広大な九十九里浜の中でも特に飯岡は津波被害が甚大でした。

飯岡は関東周辺でも遊漁船の基地となっていて、都心はもとより関東近郊から多くの釣り人が集まる人気スポットとして知られています。

マダイ、ワラサ、ヤリイカ、アイナメ、カレイ、シロギスなどの釣りモノがとりわけ人気です。

飯岡は千葉県の旭市です。

「しおさいの町」と書かれている通り、海の町でしたね。

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海沿いの道路脇には東日本大震災、被災の碑が建てられていました。

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「伝えつなぐ大津波」と彫られたそれは、到達した波の高さを示す線が石碑に刻まれているように7.6mもの津波がこの町を襲いました。

それに伴い、残念なことに飯岡周辺では13名の犠牲者が出ています。

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そんな中にあって、場を和ませてくれたのがこちら。

ボクシング漫画の名作「あしたのジョー」のモニュメント。

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ここ旭市は同作の画を担当した漫画家・ちばてつや先生が育った町なのだそうです!

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「あしたのジョー」ファンの方はぜひ一度訪れてみてはいかがでしょうか。

主人公・矢吹丈(ジョー)とライバル・力石徹が出迎えてくれますよ。

サカナサク、海の旅。~青いキャンバスに夢を描こう!~

一昨年は「ロックフィッシュゲームがある日突然上手くなる」という著書を、昨年は「ロックフィッシュのABC+DVD」というムック本を制作しました。

私にとって書き物は仕事であるだけでなく、生きがいでもあるし、ある時は趣味でもあったりします。

字を書くこと、絵を描くことが昔から好きでした。

中でも絵を描くこと、物を作ることは一番好きで、そのクリエイト(創造)する精神は、偶然にも「魚」と「釣り」に当てはまる職種にも活きているわけですが、逆に、人前で話すことは人見知り性格ゆえに昔から苦手でした(笑)。

釣り雑誌での連載といえば、かつて「佐藤文紀の根魚道」というロックフィッシュゲームの連載をスポーツアングラー誌(ネコ・パブリッシング刊)で担当させていただいたのが始まりでした。大学を卒業してすぐの23歳の時でした。

2008年4月からは釣りビジョン携帯サイトにて「佐藤文紀コラム」という週一でのコラム連載を承り、現在も引き続き担当させて頂いているのですが、新年度(4月)から久々に月刊誌でも連載を担当させて頂く運びとなりました。

 

既にご覧頂いた方も多いかと存じますが、現在リリースされている(4月20日発売号)ソルト雑誌「SALTWATER」(地球丸)にて、このほど「サカナサク、海の旅。」という大型連載を始めました。カラーページ構成で基本は毎号3ページなのですが、内容的に3ページ中に書ききれない場合には4ページに、という具合です。

この連載は12ヶ月、つまり1年間に渡り実釣を伴うロケと原稿執筆を担当していきます。

この連載を始めるにあたり、編集部とは何度も打ち合せ・協議を重ねる必要がありました。

サブタイトルにもあるように、東日本太平洋沿岸の現在(いま)を歩くからです。言い換えれば、東日本大震災被災地の現状に直面していく、という連載でもあるからです。

そういう点では通常の実釣テクニック満載の連載とは主旨が異なるわけです。

2月。都内で同誌の編集長を筆頭に関係者で集まったのもそのためです。

翌月に震災から2年という節目を迎えるにあたり、この連載をどう捉え、どう動かしていくのか。電話とメールでやり取りするだけでなく、私達は話し合いの場を設けました。

 

連載を進めていく中での核心的な部分、つまりシリアスな部分に最初から直面することが分かっているからこそ、互いに話し合うべく内容は多かったです。

それでも当初の段階から自分の意志は強く固まっていましたし、最後の一押しとなった担当者の「海のルアー釣り専門誌であるSALTWATERが佐藤さんにお願いしているからこそ意味があります。」と言われた一言が、この連載をまっとうすべき使命感というか、自分の中で絶対にやり遂げなければ、という意志を決定付けるものとなりました。

 

トークイベントのため訪れた北海道から戻った3月。次に私は千葉県へと向かいました。

久し振りに訪れた外房の海は新鮮味と懐かしさが交錯するものでした。昔、鴨川シーワールドに2回ほど行ったことがあるんですよ。シャチで有名な水族館ですが、実は水族館の水槽にはイトウがいることが私のお気に入りでした。(今もいるのかな?)

勝浦~銚子まで沿岸を北上して行きました。散り際の桜に、鮮やかな菜の花が実に印象的でした。ロケ滞在期間中は低気圧に伴って海は荒れ気味で、あたり一面の海が茶色く濁ってはいましたが、海岸では投げ釣りを楽しむ釣り人と波乗りにはちょうど良いのか、サーファーの姿を多く見かけました。

外房も北部・中部・南部とではフィールド環境はがらりと変わり、水温や釣れるターゲットまで変動していきます。南部では漁港周りでアジ狙いのカゴ釣りやサビキ釣りを楽しむエサ釣り師を多く見かけ、中にはルアーでのアジングをやっている方もいらっしゃいました。中部ではシーバスやヒラスズキ狙いのルアーアングラーの姿も。北部ではイシモチ(ニベ)狙いの投げ釣り師で賑わっていました。

私の地元、宮城県沿岸では3月の砂浜から投げてもイシモチは釣れません。この魚は夏の魚だからです。一般的にイシモチの北限地は宮城県とされていますが水温の関係上、当地でイシモチの釣果が出るのは6月~8月。それ以降になると県内では狙える釣り場が限られてきますが9月~10月の仙南(仙台市南部のことです)エリアで掛かる“戻りイシモチ”はデカいんですよ。そういうイメージでしたので、イシモチという一種類の魚をとっても関東と東北の地域差を改めて感じさせてくれるものでした。

それでもいち早くイシモチの姿を見たくなり、九十九里浜では投げ釣り師の間に混じってロッドを振らせて頂きました。イシモチはルアーで釣れます。近縁種に日本南部に生息するオオニベ、海外ではレッドフィッシュあるいはドラムの名で知られるニベ科のルアーターゲットも有名ですよね。いずれにしてもルアーでも狙えるイシモチですが、特にワーム系には反応良く、マゴチ・ヒラメ狙いのワームにもちょくちょく掛かってきます。

この取材ではヘビキャロにワームをセットして専門的に狙い、幸いにも釣果に恵まれました。

 

少々、話は脱線しましたが、「サカナサク、海の旅。」は千葉県をスタートにゴールである青森県を目指して旅して行きます。情緒あふれる旅情に美味しい食べ物や名物、ご当地ならではの名所に、ご当地ならではの釣りのひと時も。正直、この連載では魚は釣れても釣れなくても構わないんです。大小問わず、魚が釣れれば勿論うれしいですが大切なことは「そこで釣りをさせていただくこと」が目的ですから。

海に釣り糸を垂れる。これなんです。

 

私と共に国内外を旅しているガラガラと音がする年季の入ったいつものトラベルバッグと釣り竿を手に東日本の海辺をテクテク、トコトコ進んでいきます。

晴れの日も雨の日も、のんびりと、ゆっくりと行きましょう。

 

きっと貴方の街にも伺うことでしょう。

ここを訪ねてほしい、ここを代わりに見てきてほしい、というお声がありましたら、ぜひご一報下さい。

地球丸・SALTWATER編集部にてお便りお待ちしております。

千葉から始まって、茨城、福島、宮城、岩手、青森。

もしかしたら何処かでお会い出来るかもしれませんし、私と目が合ったなら、いきなり突撃インタビューをしてしまうかもしれません(笑)。同行のカメラマンが貴方にシャッターを構えるかもしれません。

皆さん、その際はぜひご協力頂ければ幸いです。

 

東日本の海辺にもう一度、海の風景を。そして釣りのひと時を。

「桜」、「魚」、「海」、「旅」。

私の好きな単語です。

 

そうだ!青い海に魚の花を咲かそう!

そうだ!青いキャンバスに“夢”を描こう!

青いキャンバスに夢を描こう!

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな願いを込めて、大切な想いを込めて名付けた

「サカナサク、海の旅。」

 

被災地の皆さん、被災地外の皆さんも、どうかご一読頂ければ幸いです。

意外な可能性。

新緑の美しい季節になりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

新緑の季節を迎えた南東北。

現在は青森県弘前周辺が満開みたいですね。

 

桜前線が津軽海峡を渡り終えるのも間もなく―。

北海道の皆さんはこれから楽しみですね。

 

 

最近あるメーカーさんから聞いたのですが、静岡県の浜名湖周辺や関西圏で人気の高いクロダイ・キビレ狙いでのボトムゲームにおいて直リグやアンカーリグを用いる人が密かに増えているそうです。

クロダイやキビレをルアーで狙う際、そのフィールドは泥底や砂底の環境も多いわけですが、テキサスリグに代表される中通しシンカーを用いるリグでは泥底の柔らかいボトムにシンカーが喰い込み過ぎて水中に浮遊するワーム自体も沈み込んでしまい、これらの魚種においては今一つ使いにくいそうなのです。この点ではバスやロックフィッシュとは異なりますよね。

その点、直リグやアンカーリグの場合は違います。

柔らかい泥底ボトムにはシンカーの底面が先にボトムに突き刺さることで水中におけるリグ全体の姿勢が安定し、クロダイ・キビレのバイトを誘発するにはもってこいなのだそうです。

ご存じのように直リグはバスフィッシング由来ですし、直リグのソルトバージョンとも言えるアンカーリグは“リーダーレスダウンショット”としてアイナメ狙いにおけるロックフィッシュゲーム向けに考案しています。ポッパーゲームからはじまり一時の大ブームを経た今も尚、西日本で進化を続けるルアー釣りでのクロダイ・キビレゲーム。

 

本来の想定した用途とは異なる使い方が意外な魚種で威力を発揮している意外性もまた「釣りのおもしろさ」ですね。

以前、私も富山県のオカッパリでクロダイをテキサスリグで釣ったことで認識したのですが、クロダイ・キビレもオフセットフックの1/0~3/0サイズをちゃんと喰って来るそうです。

 

オフセットフックと言えば、ロックフィッシャーには毎度お馴染み「岩礁カウンターロック」がありますが、今年は直リグならぬ「直ラバ」という製品がカルティバから新しく発表されています。

これです。

直ラバ

 

 

 

 

 

 

 

 

その標準フックに採用されているのもまた意外なことに岩礁カウンターロックなんです。

東北と北海道を中心に開発テストを重ね、バス用オフセットフックとは異なる特性から作り込んでいった針ですが、この針の最大の特徴である「ショートバイトを絡め獲る」特筆した性能は、タフコンディション化が進むバスフィッシングシーンにおいても、「ワームのホールド性能が高く、フッキング率がとても良い」と、実は多くのバサーからも愛用いただいています。

 

3年前のバス釣りにて。昨年はバス釣りに行けませんでしたが、これは3年前、2010年9月の写真です。

翌年(つまり2011年)から製造を控えたシューティンウェイSWC-722EXHブラインドサイト(当時はプロトタイプでFグリップの形状が現在とは異なっています。)のテスト中に手にしたバス。「釣りは常に想定外」と昔から思って釣りをしてきた経緯があるため、本命のみならず異魚種テストも頻繁に行いました。

 

この時のリグは岩礁カウンターロック3/0を用いたテキサスリグ。レイダウンにシャッドテールワーム(パワーゴビー4”)をピッチングで撃ち込み、枝を擦り抜けるように細かくシェイクを入れながら喰わせたのを覚えています。

 

いずれにしてもバスフィッシングから発生したオフセットフックという特異な形状の釣り針が、様々なリグ(仕掛け)との組み合わせにより海のロックフィッシュやフラットフィッシュ、更にはクロダイ・キビレにも使われるようになった現在。

 エサ釣り、ルアー釣り、フライフィッシング…ジャンルごとに大小様々な形状を生み出した釣り針大国・日本の針文化研究はまだまだ開拓の余地が残されているのではないでしょうか。

 

大型連休も過ぎ、めいいっぱいの春を感じるようになった今日この頃。釣りにはもってこいの季節になりました。

道央・道南方面のサクラマス(海)は6kgという超大物を筆頭に3~4kg(1尾あたり)という景気の良い話も聞きますし、4月以降は東北~北陸エリアのサクラマス(河川)もいい感じで推移しています。

それに間もなく、日本海側は巨大クロソイの最盛期に突入です。

今年もメッカの留萌や石狩、小樽は盛り上がることでしょう。

続く、太平洋側もますます楽しみですよね。

皆さんもどうぞ釣りにお出かけ下さい。

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「日本の魚釣りVol.131」、「SALT WATER 2013年6月号」を追加致しました。