ロックフィッシャー佐藤文紀

ロックフィッシャー
佐藤文紀
(さとうふみのり)
元祖・根魚ハンターとして、数々のIGFA世界記録及びJGFA日本記録を有し、「根魚釣りの専門家」として東北〜北海道を拠点に全国各地の根魚を追い続ける。
又、フラットフィッシュや大型トラウトの釣りにも造詣が深い。
2011年、自らがプロデュースするブランド、PRO’S ONEを立ち上げた。

キャッチアンドリリースのお願い

豊かな自然とグッドコンディションの魚を守るため、必要以上のキープは慎み、又、産卵前の個体やこれから大きく成長していく若魚は、ぜひともリリースを心掛けましょう。
釣り場環境への負担を最小限に抑えることで、次世代に渡り末永く楽しめることを願って―。

ダブルウェーブの躍進

ダブルウェーブの開発には長い研究期間と試行錯誤を要したことは、釣りビジョンモバイルサイト「佐藤文紀コラム」読者の皆さんならご存知の通り。

従来のガルプワームでは対応出来ない状況、つまり苦戦を強いられるタフコンディション下においても、何とか魚を引っ張り出してくれるお助けワームとして、その全てが根魚専用設計に基づいている。それはカラーもしかり。

ワームのカラーは塗料素材によっても硬さや粘り気が大きく左右される。ある程度、経験を積んだアングラーであれば、「同じワームなのに色が違うとこんなにも素材感が違うのか…」と感じたことがあるはずだ。特にガルプという素材は優れた生分解性と強烈なニオイの煙幕を周囲に放出することから、今や“釣れるワームの代名詞”にまで認知されるようになったが、その元を辿ると天然成分ゆえに素材コントロールが非常に難しい素材でもあるのだ。

そのため、パワーベイト素材では実現可能なアクションや機能もガルプ素材では成形不可というデザインやアイディアも少なくない。ダブルウェーブに至っては最初からガルプ素材で作ることを念頭に置き、開発を進めてきた。

一般的にパール顔料を配合して成型するとワームは硬く、張りが強くなる。クリアカラーのワームに比べ、パールホワイトに代表されるパール顔料配合系カラーのワームの方が硬く感じるのはそのためだ。極端な例ではあるが、貝殻を粉々に砕いて塗料に混ぜ込んだ物がパール顔料だと思っていただければイメージしやすいかもしれない。これらは粒子が大きい(粗い)ため、成型加工した際にどうしても素材本体に張り(パツパツ感)が出てしまい結果的にこれがワームの硬さを助長する要因の一つにもなる。一方、クリアカラーはクリアカラーなりの難しさもあって、顔料面で硬さの調整が微妙なため、素材本体に張りが無さ過ぎる“ゆるい状態”(ベロベロ感)で成型されてしまうケースもある。

ロックフィッシュの定番カラーである赤色、その中でもマットレッドあるいはソリッドレッドと共に人気の赤系カラーとしてクリアレッドの存在があるが、バークレイの既存カラーラインナップで例えるとレッドバグキャンディーがこれに近い。

ガルプSWダブルウェーブ3” レッドバグキャンディーサンプルレッドバグキャンディーカラーをガルプ素材で成形すると、独特のモチモチ感がある柔らかさが出るのだが、この良し悪しはその人の捉え方に大きく委ねられる。ワームが柔らかい分、喰いのシブい時でも喰い込みが良いからいい(フッキング率の向上)、という人もいれば、ハードに使うとすぐにワームがズレて使い勝手がちょっと…と思う人もいるはずだ。

ダブルウェーブは根魚専用設計ワームとして、この点まで徹底したこだわりを貫いており、レッドバグキャンディーの硬さ調整には最後の最後まで時間を費やした。せっかくキレイな動きを発生するワーム本体のアクションには影響の出ない範囲で、ジグヘッドリグでの串刺しでも、テキサスやダウンショットなどオフセットフック使用時でも適切なフィーリングを得られるよう素材感の微調整とテストを繰り返しおこなった。

満を持して登場する、タフコンディションの切り札「ガルプSWダブルウェーブ3”」。

生みの親として世に送り出す喜ばしさと共に、同志である全国各地の皆さん方のお役に立つことを願ってやみません。