ロックフィッシャー佐藤文紀

ロックフィッシャー
佐藤文紀
(さとうふみのり)
元祖・根魚ハンターとして、数々のIGFA世界記録及びJGFA日本記録を有し、「根魚釣りの専門家」として東北〜北海道を拠点に全国各地の根魚を追い続ける。
又、フラットフィッシュや大型トラウトの釣りにも造詣が深い。
2011年、自らがプロデュースするブランド、PRO’S ONEを立ち上げた。

キャッチアンドリリースのお願い

豊かな自然とグッドコンディションの魚を守るため、必要以上のキープは慎み、又、産卵前の個体やこれから大きく成長していく若魚は、ぜひともリリースを心掛けましょう。
釣り場環境への負担を最小限に抑えることで、次世代に渡り末永く楽しめることを願って―。

ルアーマガジンソルト2012年3月号特別ふろくDVD

児島玲子さんのブランド【オーシャンズファイブ】昨年、児島玲子さんから頂いたオーシャンズファイブ東日本大震災復興支援Tシャツ。

この「オーシャンズファイブ」は児島玲子さんプロデュースのブランドである。

 

 昨年10月21日に発売された釣り雑誌「ルアーマガジンソルト2011年12月号(内外出版社)」において、児島玲子さんとの宮城県牡鹿半島釣行取材も模様が掲載されたことは記憶に新しい読者の方も多いことだろう。

オーシャンズファイブ・東日本大震災復興支援Tシャツこの取材では紙媒体のみならず動画撮影も行っており、当時の状況を収録した映像が昨日21日に発売された同誌「ルアーマガジンソルト2012年3月号」の特別ふろくとしてDVD化され同封されている。

地方の釣りをローカル媒体に終始せず、全国媒体で伝えるのには大きな意義がある。

特にロックフィッシュの釣りはその釣りの特性上、特定の地域で局地的に盛り上がる傾向が顕著で、具体例を挙げれば東北の根魚釣りの近況が北海道や関東以南の地域で“生情報”として出回ることが少ないように、北海道の釣況が東北まで下りてくることも正直なところない。そのため三陸に在住しながら足繁く北海道に赴き、自分自身で生きた情報を仕入れることに多大な時間を費やしてきた。そしてそれが今は何よりの財産となっている。何事も経験に勝るものはないのだ。

逆に北陸や中京、瀬戸内海、九州方面で人気上昇中の各種ハタ類(キジハタ、アカハタ、ホウキハタ、オオモンハタなど)の釣りの話が東北以北に情報として出回ることも残念ながらないのが実情である。沖縄のスジアラやバラハタ、カンモンハタやイシガキハタの釣果話も普通の人なら東北にいてはまず耳にすることもないのが実情であろう。そういう意味ではロックフィッシュゲームとは、バスやシーバスのように「多くの地域で同じ情報を共有しにくい釣り」とも言えてしまうのである。

それが“地域性”という性質である。

これはなぜかというと地域によって一口に“根魚”といっても生息する魚の種類や成長の度合い、個体数(絶対数)に大きな開きがあるからで、それゆえ根魚道は一概に極められないからこそ面白いという魅力にも繋がっていくと私は思って今日まで続けてきた。我ながら、よく飽きずに長年続けてこれたものだと思う。

世の中には「長所と短所は紙一重」とか「馬鹿と天才は紙一重」という、ちょっと皮肉った言葉も存在しているが、その地域性こそが根魚釣りにおける“最大の長所であり、最大の難点”であることもまた確かなのである。

 

がんばってます、宮城・石巻!!ベッコウゾイを手に、やっぱり根魚釣りは楽しいねぇ~と児島玲子さん三陸の海辺で根魚釣りを子供の頃から親しんできた身としては、この釣りの特性や限界をつくづく把握してきたからこそ、拠点とは別に自らの足で遠方に出向いて釣り歩いてくることの重要性を私は学んできた。

 

「井の中の蛙、大海を知らず」とはある意味、本当によく完成された言葉であると、つくづく考えさせられる。

 

 

 

東日本大震災も例外に漏れず、震災直後から被災地に関する情報は全国ネットを通り越して世界中のメディアが大きく取り上げ連日報道されてきた。

でも…現在はどうだろうか―。震災から時間の経過と共に、地震・津波の報道よりも原発問題の方に話の割合がスライドしていくのも全国媒体ゆえに当然の流れであろう。

一方で、ことごとく津波で壊滅的な被害を受けた三陸の街並みの話は、地方媒体が懸命にその後の情報を流し続けているものの、当たり前と言えばそれまでだが、いずれも生活(ライフ)とビジネスに関する内容がほとんどだ。その一方でレジャー産業の話ともなるとニュースでの報道や新聞に掲載されることは滅多にない。

「ヒトは忘れる生き物である」ことを裏付けるかのように、あの日から10ヵ月足らずの間に過ぎないのだが今日では軒並みに被災地に関する興味・関心の意識や支援の在り方が薄れつつある感は否めなくなってきた気もしている。各被災地へボランディアに訪れる人の数がピーク時の1/10になっているという現状もその表れの一つではないだろうか。

そこで重要になってくるのが各ジャンルのレジャー産業の専門誌だ。

幸い、「釣り」というレジャー産業にも様々な媒体(メディア)が存在している。

今回、ルアーマガジンソルトという雑誌を通して被災地の釣りの様子をDVD化したのも、東日本大震災による地震と津波の直接の被害を受けずに済んだ地域の釣り人皆さんへも被災地の今を、被災地の釣りを見てもらいたいという一心からだ。

内外出版社「ルアマガソルト」2012年3月号特別ふろくDVD【表面】勿論、被災地に住まう釣り人たちにとっても今一度、釣りが出来る環境が少しづつ戻ってきている、ということを知って頂ければと思います。

被災地に住まう人であれば、苦しい思いをしているのは、みんな一緒。あれだけのことが起きたんですもの、悲しく辛い思いをしたのは貴方一人だけではありません。

でも、苦しいながらにも一生懸命頑張っているのも我々であることは誇りに思っていいと思います、堂々と―。

 内外出版社「ルアマガソルト」2012年3月号特別ふろくDVD【裏面】昨年7月、この取材依頼が私の元に来た時には、被災地を取り巻く様々な環境事情があることは双方において承知のうえだったが、それを一つずつクリアしながら実現に至ったものである。それでも私の中ではマイナスに動くものはなく、少なくてもこの地に暮らす人達にとって、一歩でも二歩でもプラスに転ずるキッカケになってくれることだろうと確信したからこそ本気で、全力で動いたのだ。

 

 

震災から半年が経過した被災地の釣りの様子をまずは見ていただきたい。

海を見ていただきたい。そこにはどんな魚がいて、どれほど釣れるものなのか―。

釣りが出来る環境があるのか、どういった釣りなら楽しめるのか―。

そこには見る人それぞれの捉え方がきっとあるはずだ。

 そして、あとは貴方自身が何を想うかだー。

 

宮城県仙台市と石巻市で収録された今回のDVD。

オーシャンズファイブ×プロズワン、言わば児島玲子×佐藤文紀という組み合わせも画的に珍しいかもしれませんね。

地元アングラーは勿論、東北ロック遠征が好きな遠方のアングラーにも、もしかすると見覚えのある場所が映っているかもしれません。

金華山、網地島、田代島といった牡鹿半島西側に位置する3つの離島。

アイナメ、オウゴンムラソイ、ベッコウゾイといった根魚たち。

サバ、カンパチ、ワラサ、ヒラマサといった回遊魚たち。

底モノと上モノが大小入り乱れて釣れる豊かな三陸の海は、震災後の今日も健在である“何よりの証”を画面を通じて、いま一度ご覧頂ければ幸いです。

がんばってます、東北!

がんばってます、宮城!!

がんばってます、石巻!!!