ロックフィッシャー佐藤文紀

ロックフィッシャー
佐藤文紀
(さとうふみのり)
元祖・根魚ハンターとして、数々のIGFA世界記録及びJGFA日本記録を有し、「根魚釣りの専門家」として東北〜北海道を拠点に全国各地の根魚を追い続ける。
又、フラットフィッシュや大型トラウトの釣りにも造詣が深い。
2011年、自らがプロデュースするブランド、PRO’S ONEを立ち上げた。

キャッチアンドリリースのお願い

豊かな自然とグッドコンディションの魚を守るため、必要以上のキープは慎み、又、産卵前の個体やこれから大きく成長していく若魚は、ぜひともリリースを心掛けましょう。
釣り場環境への負担を最小限に抑えることで、次世代に渡り末永く楽しめることを願って―。

極上の色彩美! アカハタゲームの醍醐味(2)

魅惑のアカハタゲーム、前回(http://www.pros-one.com/blog/?m=20150819)からの続き。

 

翌日は、ボートから狙う。

①

静岡県伊豆半島アカハタボートロックを実現させてくれるのは、西伊豆の老舗遊漁船にしてアカハタボートロックの開拓に尽力されてきた「ふじなみ丸」さん。

親子揃って、出船しています!

西伊豆では船でアカハタを釣る時は従来からテンヤ仕掛けにえびエサを付けて釣るのが一般的であるが、ふじなみ丸の若船長・藤井伸一郎キャプテン(伸さん)は声優の菅原正志さんと共にこの魅惑の根魚「アカハタ」をソフトルアーを用いたロックフィッシュゲームとしてもクリエイトしてきた功労者だ。

②

ふじなみ丸さんにはアカハタボートロックと宿泊(民宿)でお世話になりました!

朝日のまぶしいこと!伊豆の海に今日もまた深紅の根魚を狙いに行きます。

③

今日はベタ凪。

ワームを用いたロックフィッシュゲームはウネリと風があるとラインメンディングとリグの操作が著しく難しくなるので、海が静かな時は釣り人側にとってはありがたいコンディション。

ご当地では釣り場が重なることもあるヒラスズキ釣りとは真逆のコンディションがそれぞれの好条件。

とはいえ、ベタ凪の日でもこのあたりは特に底潮が異常に早くなる時間もあるため、海面が“鏡”だからといって、海中の流れが緩いか、といえば決してそうとは言えない。

干満により突然、潮の流れが速くなることも想定し、1ozシンカーが基準ながら、使うか使わないかは別として1.2ozシンカー、1.5ozシンカー、2ozシンカーまでは常時、携行する。

 

風景は東北は岩手県沿岸のように切り立った断崖絶壁が続く伊豆半島。

 

④

今日もまたアカハタを引き出せるだろうか。

 

最初のポイントで、海面付近をキビナゴの群れがたくさん泳いでいるのを目撃。

キビナゴは西や南の小魚なので、関東地方より北の海で見かけることはまずない。

そこで、実際にターゲットがキビナゴを捕食しているか?、していないか?は別として、エサになりうる生き物がここに存在している現実を目の当たりにしたことから、シャッドテールワームに変更して投入(最初は一投目から魚を獲りにいくためにアカハタの喰いが良いダブルウェーブをセットしていた)する。

 

まずはカサゴの魚信を捉えた!

⑤

カルティバ×ゲットネット/ジャスターシャッド3.2”(カラー:フラッシュレッド)のボトム、スロー引き。

ワームサイズもこの時に見たキビナゴと同じような大きさだった。

シンカーが底についたら、ラインを張るようにして竿を後ろに向かって倒していき、超低速でワームをゆっくり引っ張る。

アカハタとカサゴは横方向へ移動するルアーへの追尾性はキジハタやオオモンハタほど持ち合わせてはいなく、気をつけたいのは「ルアー(シャッドテールワーム)を引く速度について」、だ。

アクション中のリールの回転速度を“ゆっくりめ”にしているのは、早いテンポでのスイミングアクションは原則、おこなわないように気をつけているがための策略だ。

元々が追いが得意ではないターゲットを横引きで釣る場合、横方向にルアーを移動させるにも、スローにルアーが動き続けている状態を長く維持したい。

リグはクランクシンカーSP 1oz+ロックンビーズソフト+ツイストロック1/0。

このシャッドテールワームは匂いは付いていないが、並のシャッドテールワームでは動かない超低速引きとボトムで止めた状態でもテールの付け根が柔らかいために動かせる点が利点として私は用いている。

ワーム全体が柔らかいため、魚が喰った時に口腔内で折れ曲りやすく、そのためフッキング率が高いのもポイントである。

⑥

シャッドテールワームの仲間同士でも「動きの質と違い」でもアイテムごとに、細かい使い分けをしているのだ。

それだけでシャッドテールワームというカテゴリーは、アイテムごとにその日の釣れ具合に差がひらくワーム。

今日はどのタイプにアタリが集中するかも、見極めながら臨機応変にセレクトしたい。

 

キビナゴが回遊しているこのポイントでは引き続き、バタバタとカサゴがラッシュで釣れ続いたが、2尾目以降は写真割愛。

アカハタよりもカサゴの方が水温適正が冷水寄りなので、このポイントは今の条件ではカサゴに適した場所なのだろう。

 

場所を移動しよう。

今度は沖からの潮が当たりやすい出っ張った地形に到着。

夏時期に、沖から入ってくる潮は暖流である黒潮の分流であることが見込めるため、沖から差してくる潮は水温の高い潮であることに期待しているためだ。

世間では「水温の1℃は気温の4℃」と言われることもあるわけだから、たった1℃の水温差でも変温動物である魚類にとっては、相当な変化をもたらす。

場所場所の水温差で、釣れる魚種がカサゴだけになったり、アカハタがきちんと釣れるようになったり、とシーズン初期、いわゆる“走りの時期”の釣りでは自分が釣っている場所の水温にも意識を向けたい。

 

魚はいるはず。あとは喰わせるだけー。

ルアーを変えて、少し粘っていると…!!!

⑦

⑧⑨

アカハタの登場だ!

赤色の魚体が浮き上がってくる様子は、何時も心、高まる瞬間。

ヒットリグは、クランクシンカーSP 1oz+ロックンビーズソフト+ツイストロック2/0+パワーベイトSW/パワーホッグ4”(カラー:レッド)。

シャッドテールワームからホッグにワームをローテーション。

尚、パワーホッグ4”はフッキング率をアップさせるため、この日は節を段階別にカット(3節カット・5節カット)して使用した。

⑩

深紅の色彩が美しい根魚・アカハタ。

【アカハタを狙って釣る】となれば、最北で千葉県房総半島、通常の北限で静岡県伊豆半島が拠点だ。それ以西であれば、緯度の低い地域、つまりは西に行けば行くほど更に遭遇できる確率は高くなるが、キジハタと違って日本海側よりも太平洋側に多い(あとは東シナ海)のも種としての違いの一つだ。

同じハタ科の仲間でも、日本列島内、緯度や水深、底の地形、常食するエサの違いで種族間の棲み分けが行われているところに興味が尽きない。

いずれにしても、キジハタ同様に貴重な1尾を狙い定めて手にすることが、心躍るほどうれしくなる魚だ。

 

魅惑の時間は、まだまだ続く。

 

 

タックルデータ

■ベイトタックル(PEライン仕様)

●ロッド:シューティンウェイSWC-722EXHブラインドサイト

●リール:エクスセンスDC

●ライン:シーガーマルティア2号

●リーダー:シーガーグランドマックスFX 5号

●シンカー:クランクシンカーSP 1oz

●クッションビーズ:ロックンビーズソフト

●フック:岩礁メガトンロック2/0、1/0、ツイストロック2/0、1/0

●ルアー:パワーベイトSW/パワーホッグ4”

     パワーベイト/パワーバルキーホッグ3”

     パワーベイト/ダブルホッグ3”

     ガルプSWダブルウェーブ3”

     ガルプSWパルスワーム4”

     カルティバ/ジャスターシャッド3.2”

●アームプロテクター:リトルプレゼンツ/アームカバー

●レッグプロテクター:カルティバ/レッグプロテクター

●へッドウェア:リトルプレゼンツ/ストリームレインハット

●タックル収納:リトルプレゼンツ/LPドライバックパック40

●偏光グラス:ZEAL OPTICS Vanq gaga

●偏光レンズ:TALEXアクションコパー

★静岡県伊豆半島ボートロック船宿<安良里地区>

ふじなみ丸(藤井船長)【090-3384-9396】