ロックフィッシャー佐藤文紀

ロックフィッシャー
佐藤文紀
(さとうふみのり)
元祖・根魚ハンターとして、数々のIGFA世界記録及びJGFA日本記録を有し、「根魚釣りの専門家」として東北〜北海道を拠点に全国各地の根魚を追い続ける。
又、フラットフィッシュや大型トラウトの釣りにも造詣が深い。
2011年、自らがプロデュースするブランド、PRO’S ONEを立ち上げた。

キャッチアンドリリースのお願い

豊かな自然とグッドコンディションの魚を守るため、必要以上のキープは慎み、又、産卵前の個体やこれから大きく成長していく若魚は、ぜひともリリースを心掛けましょう。
釣り場環境への負担を最小限に抑えることで、次世代に渡り末永く楽しめることを願って―。

~ロングスピン釣法~SALTWATER 2015年3月号がリリースされました。

先日、1月21日に釣り雑誌「SALTWATER 2015年3月号」(地球丸)がリリースされました。

http://www.chikyumaru.co.jp/saltwater/(本誌の公式ウェブサイトでは付録DVDのサンプルムービーもご覧いただけるようです。)

 

今年1発目となる本号では「考えるロックフィッシュゲーム」シリーズの本編第5弾となるスペシャル版をお届けしています。

本誌【表紙】

今回は表紙も担当させていただきました。

9ftのEXHパワーのベイトロッドでアイナメを引き抜いているシーンです。

 

セットになっているDVD(60分!)はこちらです。

DVD【ジャケット】

DVDの中身はこのようになっています。

詳しい内容については実際にご鑑賞頂ければ幸いです。

 

これまでのベイトタックルの釣りに加えて、私の映像では今回初めて実釣シーンとしてご紹介している「ロングスピン釣法」はベイトタックルに比べ圧倒的に遠くまで飛ばせる釣り方。

ロングスピン

 

それだけに現状として、魚との出会いも劇的に増やせる釣り方の一つではあるのですが、それだけではなくベイトキャスティングリールの扱いが苦手だと思う方にも、“タックルの違い”を心配ならさずに安心してロックフィッシュゲームに取り組んでいただける釣り方です。

もっとも、極端な話、投げれば必然的に相当に飛ぶタックルを使うので、誰でも簡単に飛距離を稼げる釣り方ですから、立ち位置に制約のある岸釣り全般においてはそれだけでもメリットは多いです。

 

●メジナ(グレ)やクロダイ(チヌ)に代表される磯のフカセ釣りは潮流をウキとラインにあてて沖へと払い出す潮の乗せてラインをスプールからドンドン送り出して遠くのゾーンまで仕掛けを流して釣る釣り方があります。磯釣りで主流なラインはナイロンラインです。ナイロンラインはフロロカーボンラインとは異なり、素材そのものに浮力があります。このナイロンラインの比重が、こういった釣りの特性に合っているわけです。

 

●アオリイカのエギングでも「仕掛けを沖に流す」という上記のテクニックを用いた釣り方はしかと存在し、その釣り方をエギング流にアレンジされたのが「バックドリフト」という釣り方。この場合は、ウキに相当する部分はエギに、磯釣りの主力であるナイロンラインの部分がエギングの主力であるPEラインに置き換えて考える釣り方ですよね。数年前にこの釣りの提唱者である著名エギンガー・“ヤマラッピ”こと山田ヒロヒトさんご本人に尋ねて伺ったのです。

余談ながら、その時は「なんで佐藤さんはいつもベイトタックルにフロロをいつも使っとんの?」と言われました(笑)。つまりはソルトの世界では珍しい、ということですよね。

 

●そして、最後となる3つ目の要素。

フカセ釣りやエギのように潮流の力を借りなくても、タックルの性能を限界まで引き出して仕掛けを遥か遠くまで自力で投げる釣りが「投げ釣り」です。

その際、決して力任せにロッドを振り抜くのではありません。投げ竿と投げリールという高性能を纏った投げ釣りに特化された機能がそれをサポートして実現している飛距離。

投げ釣り師たちが叩き出す驚きの飛距離は、ルアーアングラーが「あぁ~このルアー飛んでるなぁ~」と感じる飛距離を遥かに凌駕している別次元です。

ルアーアングラーの方でも、もし周りで投げ釣りをやる方がいれば、“チョイ投げ”ではなく「本気で遠投する時にはどのくらい仕掛けを飛ばして釣っているのか」をぜひ一度聞いてみて下さい。

 

私は元々はルアー釣りから入門した釣り人ではなく、ヘラ釣り(ヘラブナ釣り)・投げ釣り・船釣り・磯釣りから、やがてルアー釣りの世界に傾斜していったタイプの釣り師なので、それだけに今でもそれぞれのエサ釣り分野から発せられる内容を自然にフィードバックしている要素もまた多いのです。

「捕食行動」として口を使いにくい魚を釣る時のような特例を除き、「マッチ・ザ・ベイト」という考え方に基づいたアプローチをルアーの世界でも実践するのもエサ釣り時代に覚えた釣りの根底となる部分の教えからです。

 

こういった日本国内で構築されていった「仕掛けを飛ばす釣り方」、「沖に仕掛けを流す釣り方」を参考に、それを私はロックフィッシュゲームに組みこめないか?と真剣に思いました。

そして、試行最後を経てその行程を一つずつ構築してきたのが今日に至る「ロングスピン釣法」です。

 

だから使うロッド(長さとテーパーが大事)にも、使うリール(スプール径と飛距離を出すために備えられた機能が大事)にも、使うライン(編み数と表面特性が大事)にも、空気抵抗を考えた形状のリグにも、きちんとした理由があるのです。

海アメや海サクラに使っているリールがそのまま活きる釣りでした。

海アメマスや海サクラマスのように、やはりそれ相応の飛距離を求められる場合が多い釣りで使うリールやラインからもヒントは得ました。

 

サーフからマゴチやヒラメを釣るのに使うリールがそのまま活きました。

沖まで浅い、遠浅サーフでマゴチやヒラメを釣るために、どうしても遠くまで投げてルアーやリグを届かせないと魚とコンタクトすることすらままならないシーンで使うリールやラインもまたそのまま活きるものでした。

 

飛ぶシンカーに飛ぶワームの組み合わせも助長しました。

低比重だとどうしても体積が大きくなりがちなブラス素材のシンカーでも最速で走る新幹線の先端部分の形状をモチーフにして空気抵抗の減退に成功したシンカーと飛行中はワームのパーツが折りたたまることで飛距離低減を阻止する形状のワームの組み合わせも、ロングスピンで求められる飛距離を助けてくれるものでした。

 

岸釣りにおいては特にそうですが、飛距離は出せるにこしたことはありません。

経験上、飛距離が足りなくて困ることは多々あれど、仕掛け(リグ・ルアー)が飛ぶことで釣果が落ちることは普通まず考えにくい。

 

だからこそ―。

これからの時代、直面しているフィールド環境でのロックフィッシュゲームにおいて必要に迫られた釣り方となりました。

雑誌とDVD

ベイトタックルと双方のメリットを活かせる使い方を習得し、今後の釣りの一手として、これからの時代のロックフィッシュゲームのお供にそれぞれのフィールドで「ロングスピン釣法」がなんらかの形でお役立て頂ければと思います。

 


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