ロックフィッシャー佐藤文紀

ロックフィッシャー
佐藤文紀
(さとうふみのり)
元祖・根魚ハンターとして、数々のIGFA世界記録及びJGFA日本記録を有し、「根魚釣りの専門家」として東北〜北海道を拠点に全国各地の根魚を追い続ける。
又、フラットフィッシュや大型トラウトの釣りにも造詣が深い。
2011年、自らがプロデュースするブランド、PRO’S ONEを立ち上げた。

キャッチアンドリリースのお願い

豊かな自然とグッドコンディションの魚を守るため、必要以上のキープは慎み、又、産卵前の個体やこれから大きく成長していく若魚は、ぜひともリリースを心掛けましょう。
釣り場環境への負担を最小限に抑えることで、次世代に渡り末永く楽しめることを願って―。

海マスの旅。

海と川を行き来するマス族には魅力尽きない魚たちがいます。

海アメ(アメマス)

 

 

 

 

 

 

 

アメマス(海アメ)。

 

海サクラ(サクラマス)

 

 

 

 

 

 

 

そしてサクラマス(海サクラ)。

 

この海アメに海サクラはその代表格とも言える存在です。

今回はそんな「海マス」のお話―。

 

このネタも昨年、2012年8月のものです。

前回UPの釣行後は、PRO’S ONE MOVIEロケのため北海道入り。

仙台空港から夕方の便で飛び新千歳空港到着後、電車で苫小牧駅へ。一人旅もいいものです。

翌朝、苫小牧市は勇払マリーナでロケ撮影隊と遊漁船「琉駕」船長・安瀬君と合流。

季節は8月ですが、現地は曇天で肌寒いくらいです。

その模様はPRO’S ONE MOVIEの通りで、ジグヘッドリグ・テキサスリグ・アンカーリグ・スプーンリグ・バイブレーションプラグをローテーションして多数の釣果をマーク。この時、テキサスリグに使っていたシンカーは「クランクシンカー」のプロトタイプです。現行品とは形が異なっているのも映像中でお分かりいただけるかと思います。更にスプーンリグの引き方やバイブレーションプラグの使い方、実際に魚が釣れていることから、ロックフィッシュゲームが決してテキサスリグ一辺倒の釣りではないことも映像を通して参考にして頂ければ幸いです。

 

さぁ、翌日は楽しみにしていた海マスの旅です。

ロケを終えてホテルに戻って数時間仮眠した後は次の釣りへ。夜10時に苫小牧在住でトラウトフィッシングのエキスパート・佐藤壮さんと合流。向かう先は道東は白糠!狙いは海アメマス=海アメです。

苫小牧から白糠まではそこそこ距離はありますが、そこは釣り人。翌日の釣りの話題でもちきりで、あっという間に朝4時前に現地到着。

夜明けのタイミングでサーフに行くものの、低気圧の影響で海が荒れており、サーフでの釣りは困難と判断。こういう時はベイトフィッシュと共に海アメも漁港内に入ってくるので、点在する漁港をランガンしながら釣り探っていくことに。

道東地域はいつものごとく濃い霧が視界を妨げることも多いですが、それもまたここの特徴です。

まずは漁港のスロープ付近からスタート。

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写真のように道東の海の多くは慢性的に濁りの強い。岸壁際にはコンブが生えています。それゆえにマッディーウォーターにはマッディーウォーターならではの釣り方・戦略が存在します。

この漁港には流れ込みがあり、水面に小さな波紋が時々立つのでベイトフィッシュの気配(主にウグイ)が濃厚なのでこの場所に釣り座を構える。

開始早々に壮さんに本命がヒット。

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本命・海アメです。ヒットルアーはヴィブラSWでした。

続いて上層を少し早めのリトリーブしていた私にも「ガツン!」と引っ手繰るようなバイト。

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私のヒットルアーはローリングベイト77でした。

 

海アメ釣りは本州のシーバス釣りに感覚が近い部分も持ち合わせているのでシーバス釣りのテクニックも“ある程度”は活きます。特に漁港となれば水深もサーフより深いことが一般的であるため、バイブレーションプラグの活躍の場は多く、私は海アメ・海サクラの釣りで多投します。

この時期、道東の海アメのメインベイトの筆頭格はカタクチイワシやウグイなど。

特に漁港の奥まったところなどはウグイが多数いるため、恰好のベイトフィッシュとなるケースも少なくないのでウグイ・パターンとカタクチイワシ・パターンでは若干、攻め方も変えています。

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魚は釣れ続きます。

その後もめぼしい漁港を襟裳岬方面に向かって南下しながらランガン。

サーフが荒れ気味の日は「え!?こんなところに!?」と思うほど奥まった場所まで海アメは入ってくるので、小場所だからといって侮れません。

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アベレージサイズにして50~60センチ強までの海アメのヒットが続きます。二人同時ヒットも結構ありました。

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海アメのグリーンの発色が鮮やかできれいです。これは保護色の役割を果たしています。

スプーン、シンキングペンシル、ジグミノー、メタルジグ、メタルバイブも投入しましたが、この日は最もヒット数が多かったのは7センチのバイブレーション(レンジバイブ70ES)、次に9センチのサクラマス用ディープダイビングミノー(ビットストリームFMD95とディープフィート90MDのサスペンドチューン)、次いで9センチのヘビーシンキングミノー(魚道ヘビーサーファー90)の順です。

最多ヒットのバイブレーションは縦ジャークを入れながらのリフト&フォールと中層~上層のただ巻き。

ディープダイバーは時々、トゥイッチを入れながらのただ巻き。それをアクションの違いや丸みのある形状とフラットサイド系によるフラッシング重視のルアーで2段階でローテーションを行う。

又、ヘビーシンキングミノーは魚との距離が遠い場合に遠投しての高速のただ巻きで使用。

バイブレーションはグリーン系カラーへの反応が凄まじく、ディープダイビングミノーはウグイカラー(アカハラカラー)がダントツで次にブルーバックゴールド、ヘビーシンキングミノーはイワシカラーに反応が集中しました。

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アメマスはサクラマスよりも平均して体高は控えめな魚種ですが、海でベイトを飽食している個体はよく肥えています。

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そしてサバ柄の背中の模様もまた特徴です。

個体によってグリーンバックの強い個体とブルーバックの強い個体がいますが、私の見識では日本海側で釣れる海アメの多くはブルーの発色が強く、太平洋側で釣れる海アメはグリーンの発色が強い印象はあります。これは海域のベース色に合わせての保護色。いずれにしてもその色彩はとても鮮やか。

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このような魚が漁港内で釣れるのですから最高ですよね。マス好きには、たまりません!

道東の海というと水色がマッディーウォーターがベースのため、チャートやピンクなどのアピーリーな膨張色系カラーは定番中の定番ですが、場所、場所によってその水域で捕食しているベイトが特定されていれば、それらの体色に合わせたカラーも織り交ぜ、相対的なカラーローテションを組めれば、更に落ち度のない布陣となるでしょう。

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夕方近くに入った漁港では漁港最奥の岸壁から海アメが爆釣モードに突入。

ベイトを追って岸寄りで魚がさしている状況で、二人ともロッドが曲がりっぱなし状態。

そんな中、壮さんに海サクラ(海サクラマス)もヒット。ヘビーシンキングミノーの遠投でした。

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8月だというのに道東にはまだ海サクラが残っているとは。これが漁港から釣れるのですから、やはり凄い海です。

 

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海アメは最後の最後まで好調ペース。2人で30本以上の釣果があり、十二分かつ大満足の成果。

こうして帰路へ。この日は白糠~広尾方面まで広範囲を釣り歩きました。

苫小牧市へ戻ったのは深夜。少し寝て(いったいいつ寝ているんでしょうか…)翌日午前中の便で仙台空港へ。

この後、手掛けていた途中だった「ロックフィッシュのABC+DVD」の猛烈な追い込み期間に突入。連日連夜の作業に集中していました。

それでも2泊3日の強行スケジュールとは言え、たくさんの素晴らしい魚たちと出会えた盛夏の釣り。

ロックフィッシュとトラウトの本場・北海道。特にアメマスやサクラマスには並々ならぬ情熱を捧げるアングラーが多い地域だけにエキスパートアングラーと共にする釣行は私自身も凄く得るものが大きい。

楽しめながら凄く勉強になる。

“ウグイ”カラーのミノーがこれほどまで他の色を圧倒するほどに釣れたのもこの釣行から得たこと。場所によってはこの色だけにヒットが集中するほどだった。それだけにウグイが海アメにとっての重要ベイトの一つになるうることもよく実感出来た。

これからもトラウト先進地の釣りを深く学んでフィードバックしていきたいと思った有意義な真夏の釣り旅であった。

 

■タックル

●ロッド:サーフスレイヤーSSLS-96MH-F

●リール:ステラ4000

●ライン:シーガーR18完全シーバス1号

●リーダー:シーガーショックリーダープレミアムマックス20lb

●ルアー:ローリングベイト77、レンジバイブ70ES

     ビットストリームFMD95、ディープフィートMD

     魚道ヘビーサーファー90

 

●偏光グラス:ZEAL OPTICS アルマジロ13、Vanq

●偏光レンズ:TALEXモアイブラウン、TAELXイーズグリーン