ロックフィッシャー佐藤文紀

ロックフィッシャー
佐藤文紀
(さとうふみのり)
元祖・根魚ハンターとして、数々のIGFA世界記録及びJGFA日本記録を有し、「根魚釣りの専門家」として東北〜北海道を拠点に全国各地の根魚を追い続ける。
又、フラットフィッシュや大型トラウトの釣りにも造詣が深い。
2011年、自らがプロデュースするブランド、PRO’S ONEを立ち上げた。
NPO法人ジャパンゲームフィッシュ協会(JGFA)評議員

キャッチアンドリリースのお願い

豊かな自然とグッドコンディションの魚を守るため、必要以上のキープは慎み、又、産卵前の個体やこれから大きく成長していく若魚は、ぜひともリリースを心掛けましょう。
釣り場環境への負担を最小限に抑えることで、次世代に渡り末永く楽しめることを願って―。

踊ろよ、フィッシュ! 穏やかな洋上で感じるクロソイの息吹。(1)

1月は不覚にも感染性胃腸炎と風邪(その後に今度は風邪で喉がガラガラにやられました)のダブルパンチをくらい、泣く泣く遅い正月休み(療養期間)を頂戴してしまいました。

その間、周囲の人達は好調が続いていた大物クロソイに歓喜の声をあげていたようです。

ということでこの日は病み上がりの身体を再起動させて行ってきました、松島湾。松尾芭蕉の名句でも知られる宮城県の松島は日本三景の一つに数えられる景勝地です。

本命はクロソイ。

タイトルにも使わせて頂いたように「踊ろよ、フィッシュ」は山下達郎さんの名曲です。聞いているだけで楽しく清々しい気持ちにさせてくれる夏路線の一曲ですよね。ずっと昔、釣りビジョンさんのCMで流れていたのも懐かしいです。釣りの前に“今日はいい釣りが出来そうだ!”という気分を高めるには最高の曲で大好きなんですよ、私。

出船場所に向かう車内はずっとリピートして流しっぱなしでした(笑)。夜明けが近づく時間にふと飛び込んで来る松島湾に浮かぶ島々のシルエットが幻想的で実に美しく、この曲と本当にマッチしていました(ま、季節は真冬ですが…)。おかげで朝から清々しい気持ちになれました。

現地に到着すると「1月中旬までは調子良かったんですけどね~。水温は更に2℃以上も下がって、浅場はほとんど魚が抜け落ちたような感じで厳しいですよ。うーん、仮に魚が出ても船中1尾か2尾でしょうか…。」と船長さん。釣り人目線で本音の情報を伝えてくれるところが、非常にありがたい。

でも今回はいいんです、海で出れただけでも。

私の初釣りですので(←ちょっと遅いですが)。完全ボウズさえ免れればOK!! 問題なし(笑)。

 

景勝の地に朝日が昇る。心高ぶる瞬間です。今年もどうかステキな釣りが出来ますようにー。当日は真冬とは思えないくらいの最高の天気。快晴、無風、ベタナギ。

海が鏡のようにシーンとしていました。

しかも、一日を通して潮も全く動いていなく、船のエンジンを切っても船が同じにずっと停滞し続けるほど。

天候的には最高の釣り日和でも「魚的の活性的にはどうなんでしょ?」という具合でがあるが、とりあえず魚さえいれば、あとは「喰わせられる」・「喰わせられない」は釣り人自身にかかってくる己の問題です。

 

本当は松島湾内の10m台の浅場の根周りだけで勝負を決めたかったものの、しばらく経っても船中ノーバイト・ノーフィッシュでいつまで経っても生命反応は皆無。

これではさすがに…と察してくれた船長が沖合のディープに行ったほうが…と提案して下さり、急遽、仙台湾沖水深43~47メーターラインの漁礁周りへと大移動。

言わば、ディープロックというスタイルに変更です。ここで私がリグったのはテキサスリグではなく、1.2ozタングステンシンカーを用いたダブルキャロシステム。

ダブルキャロシステム。シンカーはTG1.2ozです。

 

 

 

 

 

 

 

ダブルキャロとはヘビキャロの応用系でメインラインのPEラインの先にリーダーとしてフロロ20lbを結び、スイベルに接続。この部分が通常のリーダーの部分になります。

今年は干支が蛇年ということと、タチウオの幼魚の双方をイメージしてガルプSWイール8”をセレクト。

 

 

 

 

 

 

 

そして、そのスイベルからまたフロロカーボンのリーダーを「ハリス」の意味合いで接続し、クッションビーズを通して後にオフセットフック(画像はツイストロックの6/0)に結んで終わり。つまりリーダーが2カ所あるヘビーキャロライナリグということになります。

メインラインにPEラインを用いる場合、水中ではPEが水を切り過ぎてしまう。そのため、ラインの低抵抗ゆえにリグ操作をスローにするためのブレーキをかけにくい。特にフォーリング中に弱いブレーキをかけながら、テンションを完全に抜かないでフォーリングさせていかないと深場ではアタリが分かりにくい状態や時間が長くなってしまう。そこでフロロ20lbの糸径を用いることで、弱い潮流をわざと上部のリーダーに当て、ラインテンションの“たわみ”の支点を作ります。ラインに角度がつくとラインさばきが向上し、更にハリス部分に相当するリーダーをつけることで、ワームは限りなくノーシンカーリグ状態を海底付近で維持できます。これは圧倒的にフォール中の動きに反応しやすいソイに対して「喰わせの間」を作る意味があります。

テキサスリグ並みのボトム感知感度を有しながら、海底ではワームがノーシンカーリグになる状態を長く取ってバイトチャンスの間合いをはかるのです。

 ワームの釣りとジギングでは魚に口を使わせるタイミングや要素が微妙に異なるので、釣り方や誘い方も変化させる必要があります。最近、このポイントで釣れたクロソイ2匹がなんと30cm弱のタチウオの幼魚を吐き出して船長も驚いたと話してくれました。そこで、マッチザベイト的要素は勿論ですが、今年の干支は蛇。蛇年だけに長くウネウネしたルアーで釣りたいとは思いませんか?

ということでセレクトしたルアーはタチウオにも蛇にもやや似ている、ガルプSWイール8”。別にこのルアーでなければ釣れないということはないですが、たまにはこういう使い方も乙なものです。

オフセットフックは6/0で、早速40m超の海底を狙うと即座にソイがヒットしましたが、V字型に穴の漁礁の最奥にリグを入れて最奥で喰わせたもので、魚が途中で引っかかってしまい取り込めず。

重量感はかなりありましたね。きっとデカかったでしょう。最後にはバレてくれたので、リグだけは無事回収しました。

気を取り直して次の投入でまたソイがヒット、今度は海底の複雑な漁礁ブロックの間をうまくスリ抜けてきてくれ無事キャッチ。

低水温にも負けず、クロソイは元気。やっぱりロックフィッシュは最高です。

 

 

 

 

 

 

 

今年の初フィッシュはクロソイでした。

ただし、バイトは非常に弱々しく6/0オフセットフックが魚の下あご先端のわずかに薄皮1枚で刺さっているだけという激ショートバイト・フッキング。

どれほど活性が低いかが容易に判断できます。それだけに魚がワームを吸い込んだ瞬間が分からないとフッキングにすら持ち込めません。この部分で釣れる人・釣れない人の差が顕著に出るものと思われます。

続けて釣っていくと船中、クロソイ、アイナメが釣れ出します!!

水深45mのボトムから、まだまだ婚姻色が鮮やかなオスのアイナメの姿も。

45mのボトムで喰ってきた鮮やかな婚姻色のオスのアイナメ。最高にきれいな魚体です。

 

 

 

 

 

 

 

1.2ozシンカーのダブルキャロシステムで40UP。ヒットルアーはガルプSWダブルウェーブ3”(カラー:ホワイトグロー)。フックサイズは岩礁カウンターロックの3/0です。

ヒットルアーはガルプSWダブルウェーブ3”(カラー:ホワイトグロー)

 

 

 

 

 

 

 

シャローに接岸したオスのアイナメはこの時期になるとさすがに色が黒ずんでくるのに、この深い場所でこれだけ色の鮮やかな体色は、シャローに接岸せずに深場で産卵された卵を今も守っているオスの可能性が強いですね。

産卵行動に絡んだ個体が深場に落ちて回復している最中というよりは、深場から浅場に上がりきらないままスポーニングに参加し、更に産卵時期が遅かった魚だと思われます。こういったオスは今もまだ卵を守っている可能性が高いので魚が弱る前に速やかにリリースしたいものです。

 

次回(2)へ続く。